WIPOプレスリリース『国際特許出願2011年に新記録を樹立』
2012/03/07
厳しい経済状況にもかかわらず、WIPOが管理する特許協力条約(PCT)の国際出願は2011年に181,900件の新記録を樹立しました。2010年から10.7%の伸びで、2 005年以降最大の成長です。中国、日本、米国が全体の成長の82%を占めました。中国の通信企業であるZTE社が2011年最多のPCT出願を行いました。
WIPO事務局長のフランシス・ガリは次のように述べました。「2010年に見られた国際特許出願の回復は2011年により強さを増した。」「 このことはイノベーションが経済戦略のますます重要な特徴になっている世界においてPCT制度が果たす重要な役割を明確に示している。また、長引く経済不安の時代に、企 業が2011年も引き続きイノベーションを行っていることを表している。」
PCT制度の急速な成長を証明するように、2011年は米国の携帯電話技術企業のクァルコム社によって200万件目のPCT出願もなされました。
上位の出願国の中で、中国(33.4%増)、日本(21%増)、カナダ(8.3%増)、韓国(8%増)、そして米国(8%増)からのPCT出願が2011年に増加しました。ヨ ーロッパの国々は(増加と減少が)混在しました。スイス(7.3%増)、フランス(5.8%増)、ドイツ(5.7%増)、スウェーデン(4.6%増)では(PCT出願が)増加した一方、オランダ(14%減)、フ ィンランド(2.7%減)、スペイン(2.7%減)、英国(1%減)では減少しました。ロシア(20.8%増)、ブラジル(17.2%増)、インド(11.2%)といった大規模中所得国は二桁成長を記録しました。 < /p>
米国は48,596件で、PCTの引き続き最大のユーザーです。そして日本(38,888件)、ドイツ(18,568件)、中国(16,406件)と続きます。しかし、米 国(0.7%減)とドイツ(0.5%減)は全体の出願におけるシェアを落としました。一方で、中国(1.5%増)と日本(1.8%増)はシェアを伸ばしました。
上位出願人
中国のZTEが2,826件の出願公開で2011年のPCT出願の首位として日本のパナソニック(2,463件)を抜きました。中国のファーウエイ・テクノロジーズ(1,831件)が第三位にランクインし、 日本のシャープ(1,755件)、ドイツのボッシュ(1,518件)が続きました。上位5の出願人のそれぞれがPCT出願公開で二桁成長でした。日本の5つの企業 - パナソニック、シャープ、トヨタ、NEC、 三 菱電機 – は上位15位に入りました。
カリフォルニア大学が2011年に277件の出願を公開されて、教育機関の中では最大の出願人です。マサチューセッツ工科大学(179件)、テキサス大学(127件)、ジョンズ・ホ プキンズ大学(111件)、韓国科学技術院(103件)が続きます。米国の大学は上位50の教育機関のうち30機関を占め、日本と韓国がそれぞれ7機関と続きます。
技術分野によるPCT出願
デジタルコミュニケーションが11,574件(または全体の7.1%)の出願公開で引き続き2011年のPCT出願全体の最大のシェアを占める技術分野でした。電子機械(6.9%)、医療技術(6.7%)、 コンピュータ技術(6.4%)と続きます。
大部分の技術分野では2011年は特許が増加しました。電子機械(23.3%)が最大の成長を示し、その他11の技術分野も二桁成長を示しました。基礎通信プロセス(5.9%減)、有機ファイン・ケ
ミストリー(1.9%減)を含む4つの技術分野のみで出願が減少しました。