遺伝資源等に関する政府間委員会(IGC)第20回会合:WIPOの交渉で遺伝資源に関する提案を一つのテキストに統合化【ジュネーブ、2012年2月27日】
2012/03/14
WIPOの知的財産と遺伝資源、伝統的知識及びフォークロアに関する政府間会合(IGC)が2012年2月14日から22日まで開催され、知的財産と遺伝資源に関する交渉において数多くの提案を一つの テキストに統合化する前進がなされました。
IGCの任務(マンデート)に従い、この(一つのテキストに統合化された)文書、すなわち数多くのさまざまな書面の提案及び(IGCの)全体会合における議論を統合化したものは、2 012年10月のWIPO一般総会に送付されます。最初の統合化文書案は、会期中に本委員会によって特定されたファシリテーターによって準備されました。ファシリテーターの構成員は、Ian Goss氏 (Aオーストラリア)、Tom Suchanandan氏 (南アフリカ)、Chandni Raina氏及びBiswagit Dhar氏 (インド)です。本 委員会は土曜日も含めて集中的かつ協力的に作業を行いました。
IGCの会期中に、カナダ、日本、ノルウェー、韓国及び米国の代表団が新たな提案「遺伝資源及び関連する伝統的知識に関する共同勧告」を提出しました。本委員会は提案者に対して、も し適切であると考えるのであれば、遺伝資源のテーマを扱う次回のIGC会合に本提案を再提出するよう勧めました。
オブザーバーの参加に関して、本委員会はオブザーバー、とりわけ先住民、原住民コミュニティの代表、の参加が拡大される方法についての 研究草案を検討しました。本 草案は2011年のWIPO一般総会の要請に基づきWIPO事務局により準備されました。IGCは手続きの包括性をさらに改善する新たなさまざまな方法を支持しました。
IGCはまたWIPO事務局に対してオブザーバーに対する認証及び資金援助手続きについての修正提案及びIGCに先立って開催される原住民のパネルの形式についての修正提案について更なる情報を求めました。 この追加情報は次回IGC(2012年4月)において検討されます。
2012年2月21日に行われたセッションにおいて、多くの原住民代表が、特に「本件プロセスに関しての我々の参加の量とレベルの継続的減少」に言及しつつ、議場を後にしました。その後、彼 らは議長と非公式に会合を行い、この決定を再考し、翌日には会合に再び参加しました。会合に戻るにあたって、原住民の参加者はプロセスへの効率的な参加を拡大するための幾つかの提案を行いました。
IGCはIGCの文書がすべての6つの国連公用語で入手可能とする現在の運用を認識するために、その手続き規則を改定しました。
加盟国の要請により、2012年2月18日、土曜日は「文化的・伝統的衣装の日」とされました。参加者は各国からの文化的または伝統的衣装を身につけ、当日は、2名の原住民の参加者, Tomás
CONDORI氏 (Indian Council of South America (CISA)) and Tomás Jesús ALARCÓN EYZAGUIRRE氏(Comisión
Jurídica para el Autodesarrollo de los Pueblos Originarios Andinos (CAPAJ))による原住民の実演で幕を開けました。
IGC第20回会合のすべての文書は https://www.wipo.int/meetings/en/details.jsp?meeting_id=25008から入手可能です。
今次会合の本委員会による決定は https://www.wipo.int/meetings/en/doc_details.jsp?doc_id=198517から入手可能です。
ICG第20回会合の報告書は2012年7月に開催されるIGC第22回会合で採択のために提出されます。
112カ国及び59のオブザーバーが参加したIGCは、ジャマイカの国連常駐代表であるWayne McCook大使によって議長が務められました。Alexandra Grazioli氏 (スイス)が副議長として選出されました。二人目の副議長は2012年4月の次回IGC会合で選出されます。
2012年4月(16日~20日)に伝統的知識のテーマを議論するために、IGCは再度(IGC第21回会合として)会合します。