【プレスリリース】WIPO事務局長は、知的財産のルールが公平な競争の場を提供して、イノベーションを支援しなければならないと語る
2012/10/29
ジュネーブ、2012年10月1日
PR/2012/722
2012年WIPO総会の開会 ビデオ
世界中で法廷を舞台にした増加する「特許戦争」が示すように、イノベーションと競争利益を推進する知的財産(IP)は、今日の経済技術の現状に合わせた、ル ールに基づく国際制度の必要性を明確に示す決定的地位にあることを、本日、WIPO事務局長フランシス・ガリは語りました。[スピーチ]
世界中で法廷を舞台にした増加する「特許戦争」が示すように、イノベーションと競争利益を推進する知的財産(IP)は、今日の経済技術の現状に合わせた、ル ールに基づく国際制度の必要性を明確に示す決定的地位にあることを、本日、 WIPO事務局長フランシス・ガリは語りました。[ スピーチ]
「激化する競争の戦場として位置するIPは、ルールに基づく国際制度の必要性を明確に示している」と、WIPO加盟国の年次総会の開会式で代表団に語りました。また、「ルールは公平な競争の場を提供し、技 術の保護貿易主義や商業主義の形に陥る衝動から我々を救うはずである」と語りました。
ガリ氏は、去る2012年6月、 視聴覚実演北京条約の採択につながった建設的な精神に触れ、これが現在進行中のその他の交渉に引き継がれることを希望すると述べました。特に、視 覚障害及び読字障害のある人々のために、出版物へのアクセスを改善することに関して、新国際条約のロードマップ案に承認するよう加盟国に要請しました。そして、「これは実体的な条約ではなく、様 式を単純化する事業推進条約である」と述べ、意匠法の様式に関する新条約の妥結を求めました。
また、IP、遺伝資源、伝統的知識、伝統的文化表現に関する国際条約を巡る継続中の議論の進展を指摘し、それは、「WIPOの主要優先事項」であると語りました。そして、過 去2年間にわたって進展は見られたが、「まだ道半ばである」として、「2013年総会には確かな成果と結果」に向けて努力するよう加盟国を激励しました。
事務局長は、WIPOの財政状況は厳しい外部環境にもかかわらず、WIPOグローバルシステムが記録的な利用水準に達したため、健全な状態を持続していると述べました。この好成績は「 経済生産と技術生産の地理学的変化」を反映し、「伝統的起源が以前ほど強力に作用しなくなった時に、この変化が新たな成長の源を作り出した」と語りました。また、もう一つの理由として、市 場のグローバル化を反映した特許取得への国際的取組の増大があると述べました。
さらに、 WIPOのサービスに対する需要の増加は、イノベーションこそが経済的成功の基盤であるという世界的コンセンサスの高まりの結果であるとしました。そ して、研究開発への投資水準の増加、すべての経済大国による自国のイノベーション・エコシステムを向上させる戦略の採用に言及しました。「優れた教育制度など、イノベーション・エ コシステムの成功の多くの部分がWIPOの権限外であるとはいえ、IPはそのイノベーション・エコシステムの不可欠な部分である。IPはイノベーションの経済的価値を捉えており、複 雑な道のりを経て市場の商業化のためにアイデアを取り込む安定した環境を提供する」と述べました。
WIPOが求める新しいイノベーション環境は、開発途上国と後発開発途上国で、効果的なキャパシティビルディングを確保するための新しい方法に対応することであると、さらに指摘しました。
声明に加え、事務局長は昨年度のWIPOの主な業績についての詳しい報告書を総会に提出しました 。t t t t WIPO総会は、2012年10月1日~9日まで開催されています。
WIPO総会議長を務めたセルビアの国連ジュネーブ常駐代表Uglješa Zvekić大使は、加盟国の様々な合法的ニーズと利害間のバランスを表すWIPOの基準作業の重要性を強調しました。そして、イ ノベーション方針の策定及び開発途上国と後発開発途上国のキャパシティビルディングの開発を支援するようWIPOに要請しました。
詳しい情報については、WIPOのメディア関係課にお問い合わせください。