2013年4月26日、世界知的財産の日に寄せて
2013/04/25
「Creativity: the next generation」
いつの時代も人は未来に向かって考え、想像し、そして創造することにより多くを実現してきました。SF小説に限らず、小説、映画などでも未来を描いたものは数多くあります。
スタートレックでは未来のものだった携帯電話は既に実現され、スマートフォントして更に進化しています。
およそ100年程前、1900年代の初頭、100年後の未来である2000年に思いを巡らせて、フランスのアーティストJean-Marc Côtéが想像した色々な未来予想図の例がインターネット上で紹介されていました。そこには、テレビ電話のように実現したものもあれば、パーソナル飛行機や自動学習装置のように実現していないものもあります。そんな未来の色々なものを実現するために、各地で努力、研究が続けられてきましたし、続けられています。
この創造の結果は、例えば、特許、意匠、商標の出願といった形で現れる場合もあるでしょうし、小説、音楽、映画などの形を取ることもあるでしょう。実際に、国際的な知的財産活動は成長し続けています。先月発表になったWIPOのデータによれば、国際特許出願、国際商標出願、国際意匠出願のいずれも伸びています。2012年は、日本は国際特許では世界二位のシェアを占め、国際商標の伸び率では世界のトップでした。世界中の研究者、開発者、クリエーター、アーティストたちは未来を創るために、今日も想像と創造を繰り広げていることと思います。
(写真:発明協会)
(写真:発明協会)
そんな未来を創ってくれる大きな原動力の一つは、次世代を担う子供たちではないでしょうか。日本にもそんな未来を創ってくれる子供たちがたくさんいます。そんな想像力豊かな子供たちの工夫があつまるのが、発明協会が主催する全日本学生児童発明くふう展です。毎年開催されるこのイベントでは、素晴らしい工夫を表彰しています。71回目を数える今年も全国から数々の応募がありました。恩賜記念賞、内閣総理大臣賞などと並んで、WIPO賞も設けていただいています。今年は千葉県一宮町立一宮中学校一年 鶴岡 靖朗さんの「演奏する鉛筆」がWIPO賞を受賞しました。
今、の発明だけではなく、「未来」に向けた夢を絵にする企画もあるります。「未来の科学の夢絵画展」です。こちらも35回目を数えます。日本全国の園児、児童、生徒たちからの応募がありました。文部科学大臣賞は多治見市立滝呂小学校3年生の眞武奈央さんが描いてくれた一口食べると少しずつ病気が治っていくケーキ「病気を治すケーキ」です。こんなケーキがあったら本当にいいと思います。
(写真:発明協会)
経済産業大臣賞は安曇野市立豊科東小学校2年生の丸山泰生さんの「水にあたるとどんどんふえるレンガ」です。津波が来たときに自動的に増えて波を防ぐ優れものです。いつの日にか実現される日が来ることを期待したいです。(写真:発明協会)
5月にマレーシアで世界青少年発明工夫展(IEYI : International Exhibition for Young Inventors)が開催されます。日本で入賞した方々がここで世界に向かって羽ばたきます。昨年も、未来を担う若い発明家たちが世界青少年発明工夫展に向かう前にWIPO日本事務所を訪問してくれました。彼らの輝く瞳を見ていると、地球の未来は明るいと感じます。今年もまた、5月のIEYIの前に新たな若い発明家たちに会えることを楽しみにしています。