アフリカ諸国の閣僚がWIPOカンファレンスでイノベーションとIPについて議論

2013/06/05

ジュネーブ/ダルエスサラーム、 2013年3月12日
PR/2013/730

WIPO事務局長とタンザニア連合共和国の大統領がダルエスサラームで
イノベーションとIPに関するカンファレンスを開会
(写真: Zainul A. Mzige).

イノベーションと開発を促進する上で知的財産（IP）が果たす役割について議論するために ダルエスサラームで開催された2日間のカンファレンスの開会式に、タンザニア連合共和国のジャカヤ・キ クウェテ大統領とWIPOのフランシス・ガリ事務局長をはじめ、20名余りのアフリカ各国の閣僚、上級政策立案者、及び企業家が出席しました。W IPOと日本特許庁がタンザニア連合共和国の政府と協力して開催したこのカンファレンスでは、公衆衛生、食料安全保障、気候変動などの現在最も喫緊のグローバルな課題対策として、イ ノベーションの重要性が取り上げられています。

カンファレンスの開会式におけるスピーチで、 ジャカヤ・ムリショ・キクウェテ大統領は、知的財産の適切な利用はアフリカ諸国の経済発展と貧困撲滅に貢献できると述べました。同大統領は「知的財産政策を開発政策と統合すべきである」とも述べ、「 知的財産問題において、アフリカ諸国に対する支援を増加する可能性について検討してほしい」と開発パートナーに訴えました。さらに、「知的財産問題は開発の問題として考えるべきであり、こ れらを切り離して取り扱うべきではない」と強調しました。

ガリ事務局長は、 イノベーション、価値の創造、競 争力を促進するための知的財産政策の戦略的な重要性に関するアフリカカンファレンスの開会式で、「アフリカには、イノベーションと創造力の偉大な伝統がある。また、イノベーションは、経済成長、開発、及 び仕事の効率化の中心的な原動力であり、企業がグローバル市場において競争上有意に立つための鍵である」と述べました。

ガリ事務局長はさらに、「知的財産は、知識を商業資産に変えるために不可欠なメカニズムであり、知的財産権は、イノベーションへの投資のための安全な環境を構築し、知 的資産の取引を行うための法的枠組みを提供する」と付け加え、知識の創造への投資と堅牢でバランスのとれた知的財産制度の保守は、持 続可能な経済成長を確保するための戦略の中で大きな特徴となるべきであるという考えを表明し、各国が国家イノベーション戦略を策定するのを支援するという当機関のコミットメントを約束しました。

経済産業省日本特許庁審査業務部の古瀬利博部長は、「日本は、WIPOによって管理されているアフリカ及びLDCのプログラムのための信託基金を通じて、ア フリカの知的財産制度の開発を支援することに全力を尽くしている」と語りました。古瀬氏はまた、「効果的な知的財産制度はイノベーションを促進する」と強調し、このカンファレンスが、信 託基金プログラムを通じて開催される今年度最大の会合であることを指摘し、「このカンファレンスが成功し、アフリカ地域における知的財産の保護と利用を加速化するための環境の改善を促進する機会になることを願う」 と付け加えました。

カンファレンスには、知的財産関連の問題を担当する閣僚、科学及び技術担当閣僚、知的財産庁の長官だけでなく、研究開発（R&D）機関やイノベーションセンターの代表、中小企業（SME）の企業家、 アフリカで事業を展開している企業、地域の経済コミュニティ及び地域の金融機関が一堂に会し、イノベーションを推進するために、ア フリカ諸国がいかにして最も効果的に知的財産に投資できるかという問題に関する広範囲の議題について議論を行います。

このカンファレンスで取り上げられる予定の主なトピック は、次のとおりです。:

このカンファレンスに出席する閣僚及び政府高官はダルエスサラームに滞在し、2013年3月14日にWIPOと国連の経済社会理事会（ECOSOC）が共同で開催する会合に出席する予定です。

更なる情報については、WIPOのメディア関連セクションにお問い合わせ下さい。

• Tel: (+41 22) - 338 81 61
• Fax: (+41 22) - 338 81 40
• E-mail