アフリカ諸国の大臣が、開発のための科学、技術、イノベーションの重要性を強調
2013/06/05
ジュネーブ/ダルエスサラーム、 2013年3月14日
PR/2013/731
UNDESA及びWIPOによる共同プレスリリース
20名を超えるアフリカ各国の閣僚、国連経済社会理事会議長、国連経済社会局(UNDESA)の局長、及びWIPO事務局長、並びに民間企業及び市民社会団体の上級代表者が一堂に会した会合において、アフリカの開発を支援するには、科学、技術及びイノベーションが重要であることが強調されました。
WIPOのフランシス・ガリ事務局長、国連の呉紅波(Wu Hongbo)事務次長、及び国連経済社会理事会(ECOSOC)のネストール・オソリオ(コロンビア)議長をはじめ、上級政策立案者および企業家が、開発のためのイノベーションの役割について議論するために、2013年3月14日にダルエスサラームに集まりました。この会合は、2013年7月1日から4日までジュネーブで開催予定の国連経済社会理事会の年次閣僚級レビューに向けて開催されました。出席者は、国連とWIPOに対して、アフリカにおける持続可能な開発を可能にする鍵として、科学、技術、及びイノベーションをより重視するための支援を要求しました。
今週、先に開催されたイノベーションと知的財産に関するWIPOカンファレンスの開会式におけるスピーチで、タンザニア連合共和国のジャカヤ・ムリショ・キクウェテ大統領は、「特許、著作権、これらに類するその他の権利などの知的財産の活用と保護は、各国の社会経済成長と発展を推進する重要な要因である」と述べました。さらに、「それは、イノベーション、発明、新しい技術の開発を奨励し、国内外の投資を推進し、技術移転を促し、農業及び工業生産を増加する。したがって、各国が効果的な知的財産政策とそれに関連する法律を策定することが不可欠である」と付け加えました。
ガリ事務局長は、「この会合は、科学、技術、及びイノベーションが、アフリカ大陸の開発目標を達成する上で果たすことのできる重要な役割を明確にするまたとない機会である。科学、技術、及びイノベーションに関するいかなる議論においても、知的財産が果たす役割を考慮しなければならない」と述べました。また、知的財産が、知識を商業資産に変えるために不可欠なメカニズムであると強調し、「知的財産権が、イノベーションへの投資のための安全な環境を構築し、知的資産の取引を行うための法的枠組みを提供する。知識の創造への投資と堅牢でバランスのとれた知的財産制度の保守は、持続可能な経済成長を確保するための戦略の中で大きな特徴となるべきである」という考えを表明しました。
国連の呉紅波事務次長は、「ミレニアム開発目標(MDG)の期限が迫り、ポスト2015年の開発時代に移ろうとしており、イノベーションは非常にタイムリーな話題である。イノベーションは、我々の共通の開発目標を達成するために必要なものであり、MDGの最後の詰めを行い、持続可能な開発の潜在能力を引き出す上で重要である」と述べました。
ECOSOCのネストール・オソリオ議長も、「イノベーションは、現代社会の本質であり、その力を利用しなければ、健康で、教養があり、誰でも受け入れられる社会を築くことはできない」と強調しました。
閣僚級会合では、次の事項を主な優先事項とすることで合意しました。
- イノベーションは、持続可能な開発の3本の柱、すなわち、経済、社会、及び環境のすべてに利益をもたらし、ミレニアム開発目標の達成を加速化するための鍵である。
- ECOSOCにおける議論は、ポスト2015年の開発枠組みとRio+20の成果の実現に関連する持続可能な開発を達成するために、科学、技術、及びイノベーションが可能な貢献をより重視することを求める閣僚宣言に至るものでなければならない。
- 技術及びイノベーションに向けたグローバルな政策アプローチは、イノベーションのモデルとイノベーションの新しい地理的考察の変化に追従して変化しなければならない。イノベーションはますますオープンで、グローバルなものになり、ネットワーク化され、コラボレーションが進んでいる。南側の国々の新しいイノベーションプレーヤーの出現は、アフリカにとって新しい機会を創出する。
- 開発のための技術とイノベーションにおけるパートナーシップは、マルチステークホルダーでなければならず、民間企業の重要な役割を認識し、民間企業が提供する資源を活用しなければならない。
- アフリカの政策立案者は、地域のまだ利用されていない潜在能力を発揮するために、知的財産の法制化や政策などの法的枠組みと政策枠組みを策定するために一層努力しなければならない。教育、研究、及び開発への投資を増加しなければならない。考え方が開発指向および市場指向に移行している状況の支援を加速化しなければならない。
- アフリカ諸国は、現地の開発課題に対する国内の技術ソリューションを作成するだけでなく、技術の移転、適合、及び普及を支援するために、イノベーションのインフラと能力を構築するための支援を必要としている。支援のコミットメントは、ECOSOCの年次閣僚級レビューで取り上げられなければならない。
- ECOSOCは、科学、技術、及びイノベーション(STI)キャパシティ・ビルディングに関してアフリカ諸国を支援するための多国による国際的な取り組みのためのプラットフォームとして、その潜在能力を最大限に発揮しなければならない。また、STI支援の提供国間でより十分な調整を図るためのメカニズムを特定しなければならない。
WIPOについて
世界知的所有権機関(WIPO)は、好ましい変化を達成するためのイノベーションと創造性を促す力として、知的財産を推進することを目的とした主導的なグローバルフォーラムです。
WIPOは国連の専門機関であり、進化し続ける社会のニーズを満たすため、国際的知的財産のバランスのとれた法的枠組みの発展において、185の加盟国を支援しています。WIPOは、複数の国で知的財産権を取得するためのサービスや紛争解決サービスを提供しています。キャパシティ・ビルディング・プログラムを提供し、開発途上国が知的財産を使用することで利益を得る手助けを行っています。また、知的財産情報を収録した独自の知識バンクへの無料アクセスも提供しています。
ECOSOCについて
国連経済社会理事会(ECOSOC)は、経済政策及び社会政策の調整とレビューを行うための国連の主要機関であり、開発問題に関して助言を与え、対話を促進します。2005年の世界サミットで義務づけられた年次閣僚級レビュー、ミレニアム開発目標(MDG)の実現、及び過去15年間に主な国連会議やサミットで合意された、国連開発アジェンダ(UNDA)を構成する目標や具体的目標の実現に向けた進捗状況を評価します。年次閣僚級レビュー(AMR)では、毎年、UNDAの特定の側面に重点を置いています。
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