ASEAN地域における知的財産活用成功事例集の公表について
2014/08/08
世界知的所有権機関(WIPO)は、日本国特許庁(JPO)及びASEAN事務局の協力のもと、ASEAN諸国における知的財産(知財)の活用に関する新たな事例集を公表しました。
この事例集の作成はJPOから提案されたものであり、事例集の作成にあたっては、WIPOジャパン・トラスト・ファンドから資金提供を受けました。WIPO 日本事務所が取りまとめた「 ASEAN地域における知的財産活用成功事例集」 には、知財の活用に焦点をあてた事例をASEAN各国から1事例ずつ集めた合 計10の事例が掲載されています。
ASEAN諸国の市場拡大や所得水準の向上に伴い、知財の 重要性が高まってい ます。政策立案者、起業家、 中小企業や大企業の関係者らにとって、重 要性の高まる知財をいかに上手くマネジメントするかが喫緊の課題となっています。こ の 新しい事例集は、競争力強化や経済発展促進のために知財がどのように活用されたのかを具体的な実例を示して紹介しています。 < /p>
先進国と発展途上国が直面している知財に関する課題は異なっています。ASEAN地域 は、先進的または基礎的な知財制度を有する低所得国、中所得国及び高所 得国を抱えている点で特徴的です。こ のようなASEAN 地域の特徴は、それぞれの国における知財の影響、それぞれの国における企業やその他の団体の対応 方 法や、採用された異なるタイプの知財戦略について研究する機会を提供します。
また、ASEAN諸国の多様性は、多くの異なる産業及び、特許 や商標といった代表的な知財以外の知財について研究する機会も提供します。この新しい事例集は、新興国で重要性が高まっている意匠、実用新案、 著作権、ド メインネームや地理的表示など、多種多様な知財についても触れています。加えて、本事例集は食品からアニメーション、伝統薬まで幅広い産業分野をカバーし ています。
知財、産業や経済状況が多様であることから、本事例集はASEAN各国の特徴を踏まえたうえで、どのように知財がこの地域の経済、社会や文化の発展に引き続き貢献できるのかを示しています。