アメリカと日本が意匠の国際登録システムに加わりました
2015/03/02
ジュネーブ、2015年2月13日
PR/2015/772
アメリカと日本が意匠の国際登録のための ハーグシステム に加わりました。これによって、WIPOが所管する世界のクリエータ達を支える国際登録システムに、世 界最大の経済大国である二カ国が加わることになりました。
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両国政府は、スイス・ジュネーブの世界知的所有権機関(WIPO)の本部において、意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定への加入書、批准書をそれぞれ寄託するため、 フランシス・ガリWIPO事務局長と面会しました。両国の加入により、ハ ーグ制度における加盟国は64カ国となり、意匠保護の地理的範囲が拡大しました。
「日本とアメリカのデザイナーは、世界中の多くのハーグ協定締約国において、自身のデザインの保護やPRが容易にできるようになりました。」とガリ事務局長は述べました。「また、締 約国のデザイナーも世界の経済大国である日本とアメリカでデザインの保護をより簡便に受けられるようになります。これはすべての産業界とデザイナーにとっての勝利であり、W IPOの主要な国際登録サービスの一つであるハーグシステムの大きな前進を示すものです。
在ジュネーブ国際機関米国政府代表部大使のパメラ・ハマモト氏は「意匠は世界経済においてより一層重要度が増してきており、よく考案されたデザインは世界的な認知度が高い」とし、さらに「 ハーグシステムによって、アメリカの出願人は、世界各国で自己の革新的な意匠の保護を受けようとする場合に、より効果的な出願と潜在的な経費削減が可能となります。このことは、ア メリカにおける意匠の保護を求める海外出願人にとっても同様です。」と述べました。
在ジュネーブ国際機関日本政府代表部特命全権大使の小田部陽一氏は「日本の意匠産業に関連する売上げと雇用はこの10年間で3倍近くなりました」と述べました。また小田部氏は「我が国は、日 本のデザインの魅力を含む、日本文化と伝統の普及活動に積極的に取り組んでいます。この度の ハーグ協定への加入を機に、日本は 知的財産に関する国際的な取り組みや今後の更なる協力の強化に向けた貢献に努めてまいります。」と述べました。
WIPOの統計によると、2013年には、全世界の意匠出願の7.1%が、アメリカ(3.8%)と日本(3.3%)の 官庁に出願されました。また、世界における全意匠出願の12.9%がアメリカ(8.2%)と日本(4.7%)の出願人によるものでした。日本とアメリカの加入は、ハーグシステムの更なる拡大を促進し、ま た他の国のハーグ協定への加入の検討を後押しすることが期待されています。
背景
ハーグシステムは、多数の国において 意匠 登録を受けるための、費用効率が高くかつ効果的な方法を提供し、意 匠の所有者に最小限の手続きと費用で地理的に広範囲な保護をもたらします。WIPOに対し一つの国際出願を電子的にもしくは書面により行なうことで、一 連の国際協定に支えられたハーグ協定に加入している64の締約国と政府間機関における意匠登録が可能となります。
国際登録は、国際出願時に意匠の保護を求める国として指定された締約国の官庁がその国における意匠の保護を拒絶しない限りは、各指定締約国において、直 接各国の官庁により意匠登録された場合と同一の保護の付与の効果を有します。
国際登録は、WIPOのウェブサイト上の 国際意匠公報 において毎週公表されます。国際登録は、登録されてから5年間有効であり、更 新することも可能です。
国際登録の更新や、その記録内容の変更など、意匠権の一元的な事後管理が可能であることも、ハーグシステムの主な特長の一つです。