着実に拡大するWIPO Re:Searchに民間セクターから新メンバーが加盟
2015/09/16
2015年には、現時点で、民間セクターから武田薬品工業株式会社と、非営利セクターから6組織が新たにWIPOリサーチコンソーシアム(以下、「WIPO Re:Search」 )に加わりました。
今回の加盟により、武田薬品工業はWIPO Re:Searchに加盟する9社目の製薬会社となりました。このコンソーシアムは、民間セクター、政府、公共セクター研究機関、お よび大学からの98のメンバーで構成されています。
武田薬品工業の加盟の他に、WIPO Re:Searchのパートナーであり、米国シアトルに拠点を置くBIO Ventures for Global Health (BVGH)は、2 015年の年初来、「顧みられない熱帯病(NTD)」4疾患を対象とする16の合意を新たに仲介しました。
WIPO Re:Searchは、組織が所有する知的財産、化合物、専門知識、施設およびノウハウを無償で、NTD、マラリア、結 核の新たな解決策の開発に取り組んでいる世界中の適格な研究者と共有できるようにすることを目的に2011年に発足したマルチセクター・プラットフォームです。こ れらの疾患の患者数は世界全体で10億人超にも上りますが、最も有望な新しい治療法の商業的可能性が限られていることから、研究活動は停滞しています。
「私たちは武田薬品工業のWIPO Re:Searchへの加盟を喜び、歓迎しています。武田薬品工業は、世界中の人々の健康に貢献するというミッションの実現に取り組む革新的な企業です。こ のミッションはWIPO Re:Searchのミッションとも共通しています」とWIPOのFrancis Gurry事務局長は述べています。
同事務局長はさらに次のように指摘しています。「WIPO Re:Searchの基本的な強みは、官民両セクターから、またあらゆる地域からメンバーを集める能力にあります。W IPOとBVGHとのパートナーシップであるWIPO Re:Searchは、NTD、マラリア、結核治療の研究開発に対する支援を希望するさまざまな組織に対して説得力のあるケースとなっています。」
BVGH代表のJennifer Dentは武田薬品工業のWIPO Re:Search加盟を歓迎し、次のように述べています。「産業界で武田薬品工業のような地位にある企業にWIPO Re:Searchの価値を認めていただき光栄です。武田薬品工業などの企業はNTDコミュニティと共有するためのアセットを有しており、そうした企業をはじめとする加盟組織の拡大が着々と進む中、WIPO Re:Searchは今後も、これらの恐ろしい疾患のより有効な新しい治療法の研究開発に貢献してまいります。」
武田薬品工業Access to Medicine部門のDirectorであるIsabel Torresは、「当社は、新 興国や発展途上国を含む世界中の人々のために医薬品アクセスの改善を支援しており、WIPO Re:Searchへの加盟はそうした取り組みの一環です。WIPO Re:Searchや、公 益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)などのさまざまな医薬品アクセス・プログラムを通じ、当社は引き続き国際保健に貢献してまいります」と述べています。
非営利組織から今年WIPO Re:Searchに新たに加盟した6組織は、Bibliotheca Alexandrina(エジプト)、Cheikh Anta Diop University( セネガル)、Guangzhou Institutes of Biomedicine and Health(中国)、Icahn School of Medicine at Mount Sinai(米国) 、Operation ASHA(インド)、University of Bamenda(カメルーン)です。16の新たな合意の対象は4つの疾患にわたり、12カ国20のメンバーが関与しています。
背景(エディター用)
WIPO Re:Search について
国際保健の大きな課題の1つは、NTD、マラリア、結核の影響を克服することです。WIPO Re:Searchは、こ れらの疾患の患者に対してより有効な新しい治療オプションを提供するための研究開発の促進を目指しています。
WIPO Re:Searchでは、NTD、結核、マラリアを対象とした研究開発に利用できる医薬品化合物、技術、ノウハウ、データの知的財産へのアクセスを提供しています。利 用可能な知的財産のアセットやリソースを検索できる公開データベースを提供することにより、WIPO Re:Searchは、NTDの治療法の研究に取り組む組織を支援する新たなパートナーシップを推進し、ひ いてはそうした治療法を最も必要としている人々の生活の向上を図っています。
WIPO Re:Searchの活動に対しては、Alnylam Pharmaceuticals, Inc.(米国)、エーザイ株式会社(日本)、GlaxoSmithKline plc(英国)、M erck KGaA(ドイツ)、MSD(米国)、Novartis AG(スイス)、Pfizer Inc.(米国)、Sanofi SA(フランス)、武田薬品工業株式会社(日本)、オ ーストラリア政府および日本政府が資金援助を行っています。
顧みられない熱帯病(NTD)、マラリア、結核について
世界保健機関(WHO)が優先的に取り組んでいる19のNTDには、149カ国で10億人以上が感染しています。発展途上国ではマラリアおよび結核も蔓延しており、これらの疾患が社会・経 済的発展を妨げています。 詳細情報については、こちらをクリックしてください。
BVGH について
BIO Ventures for Global Health (BVGH)は、米国ワシントン州シアトルに拠点を置く非営利団体であり、人、リソース、ア イデアをつないで国際保健問題の解決に貢献しています。BVGHは、バイオ医薬品産業と国際保健との架け橋として、国際保健コミュニティの目標と企業の戦略的優先課題との共通点の発見に取り組んでいます。
武田薬品工業について
大阪(日本)に拠点を置く武田薬品工業は、医薬品を主力事業とする研究型のグローバルな企業です。日本の製薬会社最大手として、また業界有数のグローバル・リーダーとして、優 れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献しています。武田薬品工業の詳細情報については、 同社ウェブサイトをご覧ください。
武田薬品工業は「いのち」に携わる企業として、WIPO Re:Search、GHIT Fund、Global Health Projectを含むさまざまなプログラムを通じて世界中の人々の保健医療アクセスの改善に取り組んでいます。
2014年には、全社の各種関連イニシアティブおよび活動の統合を図り、Emerging Markets Business Unit内にAccess to Medicines (AtM) Committeeを設置しました。この委員会は新興国におけるAtM活動を監督し、グローバルなガバナンス体制を構築します。詳細については タケダ2015アニュアルレポートをご覧ください。