WIPOと音楽著作権啓発基金、クリエイターのため協力へ
2020/08/10
世界知的所有権機関(WIPO)と音楽著作権啓発基金(MRAF)は、知的財産権(IP)に関する知識と意識を高めることで、世界中のクリエイターが認められ、公正な報酬を得られるよう支援するため、力を合わせることになりました。
WIPO事務局長フランシス・ガリ氏とMRAF共同創設者ビョルン・ウルヴァース氏、ニクラス・モリンダ―氏およびマックス・マーティン氏が合意に署名し、世界中のクリエイターの知的財産権に対する意識を高める活動を開始するため、コンソーシアムが設立されました。 “WIPO for Creators” コンソーシアムは、その憲章(PDF)で関心のある方々の参加条件を定めており、官民問わず、メンバー又はスポンサーとして参加することが可能です。
「今回の合意は、世界中のクリエイターの創作物の収益化を支援するという、非常に具体的な使命を持つ2つの組織の専門知識を統合するものであり、クリエイターにとって非常に重要な意味を持ちます」「現在のCOVID-19危機は、社会におけるクリエイティブ産業の重要性と、クリエイターが自分の作品に対して正当な報酬を得られるようにする必要性とを再認識させました。こうしたことは、グローバル化とインターネットによる相互接続とがますます進んだデジタル・コンテンツ市場における創作活動に対し、インセンティブと報酬の両方を与える効果的な著作権制度を通じてこそ、実現できるでしょう。」とガリ氏は述べています。
ABBAのスターであるビョルン・ウルヴァース氏は、WIPOとの合意を歓迎し、「WIPOがこの取り組みを支援してくれていることに感謝し、誇りに思います。また、教育や支援プログラムを通じて、世界中のクリエイターのIPに対する意識を高め、知識を増やすために協力していきます。WIPOとのパートナーシップのもと、官民問わず関心を持つ意欲的な仲間と共に、このビジョンを実現するための場ができたことが嬉しいです。」と述べました。
また、MRAFの会長でもあるソングライター・プロデューサーのニクラス・モリンダ―氏は、WIPOとの提携と、コンソーシアムという形での官民パートナーシップを歓迎し、以下のように述べています。「この新たな提携は、クリエイターの状況を改善する上で重要な一歩です。“WIPO for Creators”の目的は、基本的なIPについての教育と意識向上によって、世界中のクリエイターが自分の作品が使用された際に適切に補償され、権利者として認識されるようにすることです。この共通の目標を達成するため、WIPOと協力できることをとても楽しみにしています。」
クリエイティブ・コンテンツ市場がますます複雑化し、データドリブンになっている今、このイニシアティブは極めて重要であるといえます。クリエイターがIPを効果的に行使するためには、データ管理の重要な役割を理解することが、より必要になってきています。
コンソーシアムについての詳細や、参加にご興味のある方は、こちらまでお問い合わせください。
WIPOについて
世界知的所有権機構(World Intellectual Property Organization 、WIPO)は、知的所有権に関する政策、サービス、情報、協力のために設立された国際機関です。国連の専門機関である WIPO は、進化し続ける社会のニーズを満たすため、バランスの取れた知的所有権の国際的な枠組みを加盟国193か国が構築できるように支援しています。また、複数の国で知的財産権を取得したり、紛争解決したりするためのビジネスサービスも提供しています。さらに、新興国が知的所有権の使用によるメリットを享受できるようにするための能力強化プログラムを提供しています。また、知的所有権情報の独自のナレッジバンクへの無料アクセスを提供しています。
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