WIPO加盟国が新事務局次長(DDG)及び事務局長補(ADG)の任命を承認
2020/12/16
WIPO加盟国は、2020年12月3日の調整委員会[1]において、ダレン・タン事務局長が提案した4人の事務局次長(DDG)と4人の事務局長補(ADG)の任命を承認しました。
タン事務局長は調整委員会に向けて、WIPOを次なる章へと導くために、その技術的特性と協調して働く能力を評価して、8人の部門リーダーを選出したと述べました。
2020年10月1日に6年間の任務でWIPOのトップに就任したタン事務局長はさらに、「各部門のリーダーはWIPOの上級幹部として重要な役割を果たします。共同し、そして私と一緒に、我々は最上位の方針を決定します。私たちはチームとして、戦略とリーダーシップだけでなく、戦略を具体的な計画、イニシアチブ、行動に変換する責任があります」と、述べています。
選出された事務局次長(DDG)と事務局長補(ADG)は次のとおりです。
- Lisa Jorgenson(アメリカ合衆国):特許・技術部門事務局次長(DDG)
- Wang Binying(中国):ブランド・デザイン部門事務局次長(DDG)
- Sylvie Forbin(フランス):著作権・クリエイティブ産業部門事務局次長(DDG)
- Hasan Kleib(インドネシア)地域・国家開発部門事務局次長(DDG)
- 夏目健一郎(日本):インフラ・プラットフォーム部門事務局長補(ADG)
- Edward Kwakwa(ガーナ):グローバルチャレンジ・パートナーシップ部門事務局長補(ADG)
- Marco Aleman(コロンビア):IP・イノベーションエコシステム部門事務局長補(ADG)
- Andrew Staines(イギリス):財務・管理部門事務局長補(ADG)
タン事務局長は、加盟国に対し、自らに強力なマンデートとチームを与えてくれたことに感謝するとともに、チームの地理的・性別的な多様性の高さを指摘しました。特に、4人の事務局次長(DDG)のうち3人は女性で、上級幹部の37.5%を占めている点を挙げています。「これはWIPOの歴史の中で最もジェンダーの多様性に富んだ上級幹部です」「これはWIPOの力の源となり、ジェンダーの多様性に真剣に取り組んでいることを示すものとなるでしょう」とタン事務局長は述べています。
また、このチームは、学界、民間部門、各国知財庁、WIPOを含む国連システム、および国際外交からの経験を結集しています。さらに、WIPOの内部関係者と、WIPOの外部の者であっても、すでにWIPOに精通した人々が集まっています。
将来に目を向けて、タン事務局長は次のように付け加えました。「この新たな章では、WIPOは、知的財産登録の運営、ツール、サービス、情報の提供、規範的な議題の形成といった中核的な領域で引き続き力を発揮していかなければなりません。同時に、企業や経済の観点から知的財産を検討するために、業務を拡大していく必要があります。」
「パンデミックはデジタル化を加速させ、イノベーションと技術の重要性を高めました。これは、経済回復の推進力としてイノベーションと創造性に目を向けている加盟国からの支援の需要が高まることを意味しています」
タン事務局長は、WIPOはこの課題に対処する準備ができていると述べるとともに、提案された事務局次長(DDG)と事務局長補(ADG)は「経験、専門知識、コミットメントだけでなく、チームとして働く能力も持ち合わせています。私たちは、すべての加盟国と利害関係者と協力して、バランスの取れた、包括的で、前向きで、ダイナミックなグローバルIPエコシステムを構築することを楽しみにしています。」と加えました。
次期事務局次長(DDG)及び事務局長補(ADG)の任期は2021年1月1日から始まり、事務局長の任期と一致します。
[1]事務局次長(DDG)の任命に関する規則は、世界知的所有権機関(WIPO)設立条約第9条(7)で規定される。そこでは、事務局長が、スタッフ関連事項を統治するWIPOの執行機関であるWIPO調整委員会の承認後にDDGを任命することが規定されている。
事務局長補(ADG)の任命は、WIPOの職員規定及び規則で規定される。そこでは、事務局長はWIPO調整委員会の助言を考慮に入れなければならない、と規定されている。
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