WIPO Arbitration and Mediation Center

紛争処理パネル裁定

Philip Morris USA Inc. vススム・ナリカネ/Miyuki Corp., Inc.

事件番号D2014-0692

1.当事者

本件の申立て人Philip Morris USA, Inc. (PM USAまたは申立人)は。アメリカ 合衆国ヴアージニア州法によって設立され,同州に本拠を有する株式会社である。被申立人ススム・ナリカネは、東京都荒川区西日暮里の会社に勤務し いる。

2.ドメイン名および登録者

係争のドメイン名<marlboro-0880.biz>は、GMOインターネット社に登録され ている。

3.手続きの経過

本件の申し立ては、2014年4月28日、WIPO仲裁調停センターになされた。このドメイン名紛争は、統一ドメイン名紛争処理方針の適用を受け、任命されたパネルは、この紛争を処理する管轄権を有する。Onamae.comとして業務をするGMO インターネットは、侵害するドメイン名の登録者であって、ドメイン名登録規約に紛争処理方針が適用されることを規定している。

4.背景となる事実

申立人PM USAは、ヴァージニア州法によって設立された会社で、同州リッチモンド市に営業の本拠をもうけている。

5.当事者の主張

A. 申立人

申立人は、相手方がOnamae.comとして営業をするGMO Internet, Inc.をつうじて、侵害するドメイン名 <marlboro-0880.biz>を登録した、また、侵害するドメイン名は申立人の商標を全面的に取り入れた、MARLBOROと混同させるほど類似していると主張する。

B. 相手方

相手方は、正式の答弁をしなかったし、申立人の主張に対して実質的な反論もしなかった。

6. 審理および認定

統一ドメイン名紛争処理方針の第4パラグラフ(a)のもとで、申立人は、ドメイン名の移転を求めるにあたって、次に掲げる要件について立証しなければならない:

(i)相手方が登録したドメイン名は申立人が権利を有する商標またはサービス・マークと同一であるか,または、混同を生じさせるほど類似しているか;

(ii) 相手方はドメイン名について権利または正当な利益を有するか;

(iii) 当該ドメイン名が悪意によって登録され使用されているか。

当パネルは、相手方が所定の期間内に応答しなかったことを認め、したがって、申立人が、その申立てにおいて主張する事実を争わないものと判断する。

A. 同一であるか、または混同を生じさせるほど類似するか:

相手方が保有するドメイン名で識別力を有する要部は、"marlboro"の部分である。そして、"marlboro"の表示は申立人の保有する著名商標と同一である。したがって、本件ドメイン名と申立人が権利を有する商標は、少なくとも混同させるような類似性があることは明らかである。

よって、申立人は処理方針第4条(a)項の第一要件を充足している。

B. 権利または正当な利益

本件申立てにおいて述べられている事実から、相手方は問題のドメイン名についてなんらの権利も、適法な利益も有しないことが明らかである。

よって、申立人は処理方針第4条(a)項の第二要件を充足している。

C. 悪意による登録および使用

申立て人は、本件のドメイン名が悪意によって登録されていることを十分に立証している。

よって、申立人は処理方針第4条(a)項の第三要件を充足している。

7.裁定

以上述べた理由から、統一ドメイン名紛争処理方針第4(1)および規則15にもとづき、当パネルは、ドメイン名<marlboro-0880.biz >を申立人に移転することを命ずる。

裁定パネリスト(単独)
テルオ・ドイ
2014年7月11日