2022/11/25
2022年10月16日~19日にかけて、バングラデシュ産業省特許意匠商標部 (DPDT) の特許審査官向けのワークショップ研修が、日本国特許庁 (JPO) の協力のもと、ダッカで開催されました。
本ワークショップは、DPDTが他国の国内段階における審査成果物を利用する際のDPDT職員のスキル向上を目的として開催されました。他国官庁による審査成果物を国内法の枠組みの中で活用するワークシェアリングは、審査リソースの限られた官庁にとって非常に効率的かつ効果的なアプローチです。他国官庁による審査成果物を国内法の枠組みの中で活用するワークシェアリングは、審査リソースの限られた官庁にとって非常に効率的かつ効果的なアプローチです。
WIPOは2022年3月13日~16日にかけて、DPDT特許審査官を対象としたオンライン入門研修を開催しました。当時、パンデミックの状況により、DPDTにおける対面での研修の実施が難しかったため、オンライン開催となりました。オンライン研修のおかげで、DPDT職員は今回の実地研修に備えることができました。
本実地研修では、3月のオンライン入門研修で紹介したスキルや知識を活用して、DPDTに係属中の外国出願を実際に審査することに焦点を当てました。実際の案件を処理することで、入門研修で行われた理論講習を補完しました。
本ワークショップ2日目には、日本国特許庁 (JPO) 調整課審査企画室課長補佐 石坂知樹氏が、J-PlatPat経由のワン・ポータル・ドシエ (OPD) へのアクセス情報を含むプレゼンテーションをバーチャル形式で行いました。
DPDT職員は、非常に積極的にこの対面研修に参加し、継続を希望しました。係属中の出願を取り扱うことで、国内法を適切に適用しまた解釈して問題に対応する機会を得ることができました。参加者は特に本ワークショップで、2022年の新しい特許法で新たに設けられた規定に関して議論できた点を、高く評価しました。
DPDTとWIPOはまた、JPOの協力のもと、2022年10月20日に別途セミナーを開催しました。このセミナーでは、バングラデシュがPCTに加入することを決定した場合に弁理士が潜在的に担うことになる役割のいくつかのポイントや、PCT加入がバングラデシュにもたらすと期待される一般的な利益について、取り上げました。また、国内段階審査の透明性の向上により、審査官は他国の審査成果物に容易にアクセスしてより効果的に活用できるようになり、また弁護士・代理人は、他国における弁護士・代理人の審査報告に対する対応を確認して活用できる可能性があり、さらにパテントファミリーのファミリーメンバーの審査が他の法域でどのように進行するか一般的にモニタリングが可能になる点が強調されました。セミナー後にDPDTが収集したフィードバックによると、PCT加入に伴い予想される変更点等について議論するため、今後もこのような機会の確保を望む意見が寄せられました。