2023/07/20
2023年5月8~12日にかけ、WIPOはベトナム知的財産庁 (IP Viet Nam) と共同で、FIT/日本知的財産グローバルファンドの支援を受けて、よりスマートな知財庁業務サービスに関するベストプラクティス共有 (SBP) 会合をベトナムのハノイで開催しました。本会合には、ベトナム知的財産庁職員のほか、カンボジア、ラオス、フィリピン、タイの各官庁の業務運営・IT担当者11名が参加しました。
本会合は、2022年12月にフィリピンのマニラで開催された第1回SBP会合に続くものであり、(i) フィリピン知的財産庁 (IPOPHL) によるWIPOビジネスソリューション活用事例の紹介を通じて、デジタル業務サービス導入の経験、政策の優先事項、手法を共有すること。(ii) 知財庁におけるサービスやパフォーマンスを改善するために、よりスマートな技術ツールの活用方法や手段について検討すること。(iv) WIPOが提供するソリューションの導入や、オンラインサービスのための「WIPO IPAS」、「WIPO Publish」、「WIPO File」のカスタマイズ、管理に必要な技術的詳細に関する実用的な情報を提供すること。
本会合には、ベトナム知的財産庁職員のほか、カンボジア、ラオス、フィリピン、タイの官庁の業務運営や情報技術を担当する11名の職員が対面で参加しました。
本会合では、ベトナム知的財産庁の職員がプレゼンテーションとデモンストレーションを行い、業務手順を紹介するとともに、様々な事業部門で直面している具体的な課題を挙げ、フィリピン知的財産庁の職員が同庁のデジタルトランスフォーメーションの歩みについて見識を共有し、業務プロセスの強化やITシステム活用によるペーパーレス化の成功事例を紹介しました。さらに、他の知財庁の職員もプレゼンテーションを行い、カンボジア知財庁の職員が現在の業務プロセスについて発表し、WIPOが開発したシステムの効果的な活用に焦点を当て、マドリッド制度に関する通知をWIPOに自動送信するWIPO IPAS導入の成功事例を紹介しました。また、WIPO職員がIPASクラウド版に関するプレゼンテーションを行い、アップグレードのアプローチやASEAN知的財産登録プラットフォーム導入の成功に必要な活動について議論したほか、日本国特許庁職員がIT業務サービスに関する活動についてのプレゼンテーションを行いました。
最終セッションでは、WIPO職員が、フィリピン知財庁職員とともに、参加知財庁のIT、デジタル化、業務プロセスの分野における課題に対処するための見解を述べ、提言を行いました。
会合全体にわたり、各知財庁が直面している課題について参加者間で議論が交わされ、知識共有の場としての役割を果たすことができました。
会合の内容
本会合は、参加型のディスカッションや会場でのデモを通じて、参加者間で経験談や成功事例を共有することに焦点を当て、次のようなテーマを取り扱いました。