2024/07/10
世界知的所有権機関 (WIPO) は、 2024 年 4 月 22 日から 25 日にかけて、 WIPO FIT/ 日本知的財産グローバルファンド (FIT/Japan IP Global) の支援を受けて、パキスタン知的財産機関 (IPO パキスタン、 Intellectual Property Organization of Pakistan) と共同で、カラチ ( パキスタン ) において全国研修プログラムを開催しました。
この研修プログラムの目的は、IPO パキスタンの特許審査官の能力開発と向上を図ることにあり、特に、 PCT 国際段階および国内段階の作業結果の活用を通じて、特許審査の質と効率の向上を目指しています。
本研修プログラムは、WIPO の PCT 国際協力部審査・研修協力課 (Cooperation on Examination and Training Section, PCT International Cooperation Division) シニア・プログラム・オフィサーの Taegeun Kim 氏が、とりまとめ、企画を行い、実行したものです。
Kim 氏は、 IPO パキスタンの実体特許審査官向けに、実際の事例を交えながらさまざまなテーマを取り上げています。本プログラムでは、パキスタンの PCT 加盟が検討されるなか、官庁と IPO パキスタンの審査官が適切な準備態勢を整えられるように、 PCT の手続きに加え、審査官が国際調査報告や見解書などの PCT 成果物をどのように理解し、活用できるかに焦点が当てられました。
本研修プログラム参加者は、一様に、講義から多くの情報が得られ有益であったと評価しており、ディスカッションや演習に非常に積極的に参加しました。また、プログラムの終了後に行われた調査において、参加者は、非常に満足したと回答しています。
官庁の要請を受け、FIT/ 日本知的財産グローバルファンドの同意を得て、 Kim 氏はカラチ滞在中に、現地の民間ユーザーとの対話型セッションも開催し、 PCT 制度とそのメリットについて紹介しています。