2024/10/03
共同知的財産権修士課程 (MIP) の第14期が無事に終了を迎えました。本プログラムは、アフリカ知的財産権機関 (OAPI)とヤウンデ第2大学との連携で、FIT/ 日本知的財産グローバルファンド (FIT/Japan IP Global) の支援を受けて実施されたものです。MIPは知的財産 (IP) に関する法令と実務に注力することで知られており、今後もアフリカにおける知財の知識と専門性強化に向けて大きな前進を続けていきます。
2010年3月8日、WIPO、OAPI、カメルーンのヤウンデ第2大学は、アフリカのフランス語圏出身の参加者の学術的ニーズに合わせた知的財産権修士課程を提供することを目指す協力協定を結びました。本プログラムはヤウンデ第2大学の課程の一環として2010年10月1日に開始されました。最初のコースワークがWIPOの遠隔学習プラットフォームを通じて提供された後、ヤウンデ第2大学での対面授業とOAPIでの実践的な訓練が行われました。本プログラムの特色のひとつが、OAPIでの実践的スキルの訓練です。これにより、修了生たちは政府、学術界、産業界でのキャリアにおいて求められる必須スキルを身に付けることができます。
アフリカでは知的財産の専門家の数が少なく、MIPはこの問題に取り組むために学生や若い世代の実務者に向けて必須のIP知識と技術スキルの教育を行っています。本プログラムは知的財産の多様な分野における包括的な訓練を提供することで、地域のニーズと物の見方に対処できるように構成されています。
カリキュラムでは知的財産の複数のトピックについて掘り下げます。アフリカ全土および日本の学者、法曹実務者、知的財産教育に携わる専門家、大学および知的財産事務所で活躍する知財専門家から成る著名なチームが授業を提供します。このような独自の教育アプローチにより参加者は質の高い学びを得られるとともに、当該地域で高まりを見せる知的財産の専門性の需要に応えられる、実践的な見識を得ることができます。
第14期の共同知的財産権修士課程 (MIP) は2023年10月2日に開始され、2024年6月28日に成功裏に終了を迎えました。アフリカの11の国から熱意ある39名の学生が集まり、学生の支援のためにFIT/ 日本知的財産グローバルファンド (FIT/Japan IP Global) より12件の奨学金が提供されました。
2024年1月26日、ヤウンデ第2大学で、在カメルーン共和国日本国大使館の川上佳二等書記官が対面授業開始にあたっての挨拶を述べました。自宅学習のフェーズでは、参加者は日本の知財システムについてのオンライン講義を受講しました。講義は、国際協力課の地域協力第三班 (中東およびアフリカ) のモリ・マリ副ディレクターと、日本特許庁の普及支援課の産業財産権専門官である遠藤壮一郎氏により実施されました。
修了式は2024年6月28日にOAPIで行われ、参加者全員が成功裏にMIPプログラムの課程を終えることができました。式では、池田潔彦駐カメルーン共和国日本国臨時代理大使が祝辞を述べました。修了生たちは今後、アフリカ全土において知的財産権の教育、使用、保護に関する重要な役割を担うことが期待されています。