
植物の育種で改良された新品種が作られます。これは、人口増加や気候変動が起きる中で、食の安全保障を達成する上で重要かつ持続可能な手段となります。
育成している環境に馴染むように改良された新品種は、健康で美味しく、栄養価の高い食品の選択肢を増やすほか、それらを育てる農業者にとっても貴重な収入源となります。さらに、新品種は都市農業の発展に役立ったり、観葉植物や庭木の育成等、拡大する都市部に住む人々の暮らしの向上に寄与します。
植物育種の成功には、熟練した技術と知識が必要で、新しい品種を市場に投入するまでに15年もの年月を要することもあります。品種改良の過程で生まれた何千もの個体から最良のものを選んだとしても、すべての植物の新品種が成功を収めるとは限らず、育種に割いた投資に見合う報酬が得られてこそ、持続的で長年の努力も報われます。だからこそ、植物品種保護(PVP)は植物育成者にとって重要な制度です。