Green Lizard

化学薬品はほとんど全ての産業で使用されており、輸送燃料からプラスチック、電池、食用油、洗浄剤に至るまで、現代の日常生活の中で重要な役割を担っています。しかし、場合によっては、化学薬品を製造または使用するプロセスでは廃棄物が大量に排出され、望まない汚染、そして、廃棄やリサイクルに関する問題を引き起こしています。

化学薬品はほとんど全ての産業で使用されており、現代の日常生活の中で重要な役割を担っています。しかし、場合によっては、化学薬品を製造または使用するプロセスは望ましくない汚染、そして、廃棄やリサイクルに関する問題を引き起こしています。(写真:Getty/Ivan-balvan)

望ましくない影響の例:

  • 自動車やトラックに使用されるディーゼル燃料による大気汚染。- 2016年の報告書にて、国連は、大気汚染によりアジア・太平洋地区だけで450万人以上の人々が通常より若くして死亡し、ディーゼルすすが温室効果ガスの大きな排出源となっていることを推定しています。
  • リサイクルではなく埋立地に使用されるプラスチックゴミ。- 2016年、世界は2億4200万トンのプラスチックゴミを排出し、これは排出された固形廃棄物全体の12パーセントを占めています。
  • 多くの廃棄の原因となっている植物油またはパーム油のような食用油の処理。
  • 再生可能エネルギーを可能にするために必要な高速応答エネルギー貯蔵の高い費用、そして、バッテリー火災によるリスクの増加。

Green Lizard Technologies (GLT) 社は、新しい化学薬品研究を研究所から産業へと移行し、これらの一部の課題に対して環境に優しい、持続可能なソリューションを提供するために、国際的なパートナーとの協力のもと、設立されました。

企業情報

Green Lizard Technologies社 は、クィーンズ大学ベルファストのスピンアウト企業として2015年に創立されました。同社は、世界で最も差し迫っている産業の課題に対するソリューションを開発し、これらのソリューションをできる限り早急に、そして効果的に現実の商業に普及することに取り組んでいます。同社製品は、iChemEマレーシア・アンド・グローバル・アワード、アクゾ・ノーベル・イマジン・ケミストリー・チャレンジ、ラッシュライト・サステイナブル・マニュファクチャリング・アンド・サービスアワードなど、様々な賞を受賞してきました。

Green Lizard Technologies社は全種類の廃棄ペットプラスチック(多くのプラスチックボトルに使用されている)をリサイクルする新技術を開発してきました。 そのプロセスから生成されたアップサイクルのペットプラスチックには、化石燃料から作られた新しいプラスチックと同様の特性があります。(写真:Getty/nopponpat)

当社は産業パートナーと共に全ての開発を行っているため、資金および提携相手の関心を得ることに関して、知的財産は非常に重要な資産となります。

Martin Atkins 教授、Poseidon Plastics CTO (Green Lizardの事業部門の一つ)

GLTの重要なプロジェクトの例:

  • 全種類の廃棄ペットプラスチック(多くのプラスチックボトルに使用されている)をリサイクルするために開発された新技術。この改良されたリサイクル技術に関して全ての不純物を強力に除去することが実証されています。また、そのプロセスから生成されたアップサイクルのペットプラスチックには化石燃料から作られた新しいプラスチックと同様の特性があります。
  • 廃棄プラスチックフィルム/袋および包装紙を新しいポリマーを製造するために石油化学工場で使用される高品質のナフタに加工する方法。これによりプラスチック包装のループを完結できます。
  • 既存の石油・ガス由来の製品と競合するために、環境に優しく、持続可能な資源から「環境に優しいグリシドール」を生成する特許新技術を創造し、商品化すること。
  • ディーゼル車両の排出ガスから粒子の80パーセント以上を除去すると同時に、エンジン効率を10パーセント向上させる添加剤、炭酸ジメチル(DMC)の新しい製造方法の発明。この添加剤は 。中国で3年以上使用されており、近日中にマレーシアでも展開される予定です。
  • 新しい直接バイオマス(植物性および木材廃棄物)プロセスは、燃料を1ガロン当たり1.80米ドル以下で生産できることを実証しました。これは、その種の最初のテクノロジーであり、すべての植物性廃棄物を貴重な低炭素燃料にすることを目的としています。

同社は、主要分野のグローバルなノウハウに貢献しながら、テクノロジーへの資金提供と商品化を可能にするうえで、知的財産保護が非常に重要であることを認識してきました。

「当社は産業パートナーと共に全ての開発を行っているため、資金および提携相手の関心を得ることに関して、知的財産は非常に重要な資産となります。」とMartin Atkins 教授、Poseidon Plastics CTO (Green Lizard社の事業部門の一つ)は述べています。「UK特許庁のグリーン・チャンネルの導入は、DMCなどいくつかの最先端の気候変動技術に大変役立っており、これにより当社はより迅速に特許を得られるようになりました。」

同社はよりクリーンな運転の実現にも貢献し、ジメチルカーボネート(炭酸ジメチル;DMC)の新たな製造方法を開発しました。この新たな製造方法では、ディーゼル車から排出される粒子状物質を8割以上削減し、エネルギー効率を1割向上させています。(写真: Getty/Stockbyte)

Green Lizard社 は、自社技術を開発および商品化するために、英国のペット製造業者 (DuPont/Teijin)、Abundia/Panima の投資家、大手包装企業、石油/エネルギー企業、中国のYashentech Corporationなど、世界中のパートナーと協力しています。GLTは現在、他社との協力のもと、CO2からのDMC生産、そして、燃料の利点に加えてリチウム電池の貴重な化学物質および電解質としてのDMCの使用について、英国での実現可能性の調査に参加しています。また、英国と中国の間の科学技術パートナーシップの促進における同社の貢献が認められています。