シルバー・エネルギー:水を熱エネルギーに変換する

オマーンのシルバー・エナジー・リニューワブル有限責任会社(Silver Energy Renewable LLC)は、水燃料の熱エネルギー変換技術に特化する環境に優しいスタートアップ企業です。エンジニアとしての研究過程からいくつもの画期的な製品の原型を開発したDhuhi Jamal Al Barwani氏が2016年に創立しました。

気候変動に対する世界的な意識がすべての業界で高まる中、クリーンエネルギーに貢献する技術開発とこれを求める消費者の声がここ数十年目立つようになりました。有害な毒性レベル、大気汚染、海洋汚染、埋立地での危険な廃棄物、その他、環境を劣化させてきた放射線排出源を排除する、あるいは少なくとも管理するためのより効果的なソリューションの開発が急務となっています。

水燃料の熱エネルギー変換技術の原型(写真提供:シルバー・エナジー・リニューワブル有限責任会社)

技術について

シルバー・エナジー・リニューワブルは従来の燃料を代替し、さまざまな用途で使用可能でクリーンな熱エネルギーを発生させる画期的な技術を開発しました。同社のシステムは、経済的かつ効率的で信頼性が高く安全、しかもクリーンで環境に優しい方法でのエネルギー活用を可能にしています。

このシステムは、水分子を電気装置でガス炎に変換することでエネルギーに変換します。具体的には、水から水素と酸素を発生させた後、これを濃縮して空気と混合することで、暖房、切断、溶接、燃焼室の点火、エンジンへの熱エネルギー供給、発電促進、調理など、幅広い用途で最適な燃焼率のガスを作り出すことができます。この装置は、クリーンで環境に優しく、経済的なエネルギーを生産します。

この技術が先行技術と異なる点は、電気分解や化学物質を使用せず、水分子を電気的に励起するため、ユーザーは必要な熱量を管理することができる点です。この技術は、純水(H2O)を使い、次のようなさまざまな用途で使用できます:

  • 熱暖房
  • 製造(切断トーチや溶接など)
  • より効率的かつ経済的な方法でインテークマニホールドによる一酸化炭素及び二酸化炭素を除去し、ガスをクリーンにする車載用品
  • 調理で使える代替ガス
水燃料の熱エネルギー変換技術を用いた切断トーチ(写真提供:シルバー・エナジー・リニューワブル有限責任会社)

知的財産権

知的財産権(IP)により、個人及び企業が事業を成長させ、競争力を増すための技術の発明や、、イノベーションの実現が可能になります。また、環境の保護や、人々の苦しみを軽減するという観点では、国内の経済活動の活性化、社会的な進歩や文明の進化への貢献につながります。

この技術のIPを保護する重要性を認識したシルバー・エナジー・リニューワブル有限責任会社は、複数のルートから特許を出願しました。

2018年3月に(産業財産権の保護について定めたパリ条約に基づく)国内ルートでオマーンの知財庁に特許を出願しました(OM/P/2018/00061)。2019年2月には、湾岸協力理事会(GCC)の知財庁に地域登録を出願し(GC 2019-37090)、2018年7月には、特許協力条約(PCT)に基づく国際登録の出願も行いました(PCT/OM2018/050009)。

水燃料の熱エネルギー変換技術を用いた炉のバーナーの炎(写真提供:シルバー・エナジー・リニューワブル有限責任会社)

関連情報

YouTube:シルバー・エナジー・リニューワブルの水燃料の熱エネルギー変換技術に関する詳細はこちらでご確認いただけます。