「世界知的財産の日」特設ユース・ギャラリー
より良い未来を築くためにイノベーションを起こす若きチェンジメーカーたち
「世界知的財産の日」特設ユース・ギャラリーでは、「世界知的財産の日」を記念し、より良い未来を築くための活動によりノミネートされた世界中の若きチェンジメーカーを紹介します。
今年の世界知的財産の日は若者が中心となります。
WIPO Youthとしての若者たち
今年の「世界知的財産の日」は若者が中心となります。私たちは新しい世代の、発明者、クリエイター、起業家、政策立案者です。
私たちは共に、創造性や創意工夫、意欲、そして知的財産 (IP) 権を駆使して、より良い未来を築くことができます。
イノベーションと知的財産 (IP) がどのようにしてあなたの住みたい世界を形づくるのか、#WorldIPDayを使ってご自身の意見をシェアし、対話に参加してください。
村木風海
科学者、発明家、炭素回収技術研究機構 (CRRA) の代表理事・機構長。世界最小の二酸化炭素回収マシーン、「ひやっしー」の発明者。
世界最小の二酸化炭素回収マシーン「ひやっしー」があれば、誰もがチェンジメーカーになれます。
科学者、発明家、炭素回収技術研究機構 (CRRA) の代表理事であり、世界最小の二酸化炭素回収マシーン、「ひやっしー」の発明者である村木風海氏は、気候変動を止め、気候変動に関する人々の考え方を変えることに使命感を抱いています。村木氏が発明したインタラクティブロボット「ひやっしー」があれば、ボタンを押すだけで誰でも二酸化炭素を回収し、空気環境の改善に貢献することができます。 (写真:Shuji Goto)
Dorian Joulié
Carboneo社技術担当取締役・共同創業者 (フランス)
CO2を資源に変え、産業部門のカーボンフットプリントを削減します。
「当社は、気候変動との戦いにおいて重要な役割を果たしています」と、フランスのスタートアップ企業Carboneo社の共同創業者、Dorian Joulié氏は語ります。Joulié氏がパリ大学の博士課程において開発したソリューションによって、産業部門におけるCO2 (二酸化炭素) の大規模なリサイクルが可能になります。グローバルな課題に対するこのローカルなソリューションにより、産業部門のカーボンフットプリントを90%削減することができます。Carboneo社は、その技術とカーボンリサイクル目標の普及拡大のため、ビジネスインキュベータAccelair – Air Liquideに参加することが決まりました。 (写真:Dorian Joulié社提供)
Ana Carolina Villota Paz
Probionar社共同創業者 (コロンビア)
水質を改善する生分解性液体洗剤。
2015年、Ana Carolina Villota Paz氏は、環境に対する情熱から、節水性に優れた生分解性の洗濯・掃除用洗剤を製造販売するグリーンビジネスProbionar社を創業しました。Probionar社は、コロンビアにおける水使用量削減と衣料・食器用洗剤や掃除用洗剤のカーボンフットプリント改善を目指しています。同社は、持続可能な社会の実現に取り組んでおり、本拠地であるナリーニョ県に好影響を及ぼしています。同社の活動によって、環境面での効果がもたらされているだけでなく、50世帯以上に及ぶ雇用が同県で創出されています。 (写真:Ana Carolina Villota Paz社提供)
Mark Kennedy E. Bantugon
航空工学者 (フィリピン)
農業廃棄物によって航空機産業を持続可能なものにします。
Mark Kennedy E. Bantugon氏は、航空業界をより持続可能なものにする、低価格で無害な航空機用シーラント、Pili Seal (ピリシール)の発明者です。Bantugon氏は、航空会社でのインターンシップの間に、ピリの木の樹脂の廃棄物 (「廃樹脂」とも呼ばれます) を使って、航空機の燃料などの漏れをなくすシーラントを作るアイデアを思いつきました。「私の発明によって、航空業界をより持続可能なものとすることができ、何よりも国内の農村部に新たな雇用機会と収入をもたらすことができます」と、Bantugon氏は語ります。同氏は、2021年フィリピン社会貢献技術コンテストで1位となりました。 (写真: James Dyson Foundation提供)
Sergey Kazakov、Santiago Mompó、David Martí
Skroller SL社の起業家 (スペイン)
電動キックスケーターの安定性を高め、都市部での事故を減らします。
Kazakov氏、Mompó氏、Martí氏の3人は、電動キックスケーターをより快適、安定に利用し、制御できるようにするための革新的なバックレスト、スクローラーベルトを開発し特許を取得しているスペインのスタートアップ企業であるSkroller社の創業者です。「スクローラーベルト」は、利用者の身体とキックスケーターのハンドルをつなぐ伸縮可能なストラップであり、筋肉疲労や腰の不快感、都市部での事故や怪我のリスクを低減します。Skroller社は、2020年クオリティイノベーション賞で1位となりました 。 (写真: Skroller社提供)
Kavita Shukla
The FRESHGLOW Co.社CEO、FreshPaperの発明者 (アメリカ)
食品ロスを削減し飢餓の問題に取り組むためのシンプルでスマートなイノベーション。
「実際には地球上のすべての人が十分に食べられるだけの食料が世界中の農家によって生産されていますが、それでも8億人を超える人々が毎日飢えに苦しんでいます」と、The FRESHGLOW Co.社のCEOであるKavita Shukla氏は語ります。「食品ロスは莫大であり、非常に大きな課題ですが、私たち一人ひとりが家庭で取り組み始めることができるものです」と、Shukla氏は説明します。Shukla氏は、農産物の鮮度を長持ちさせる植物成分を染み込ませた紙「フレッシュペーパー」の発明者です。このシンプルでスマートな発明は、現在、世界中の農家や食品小売店、家庭で利用されています。Shukla氏は、4つの米国特許を保有し、2年ごとに開催される世界最大のデザイン賞である「INDEX Design to Improve Life Award (生活の質を向上させるデザインに対するインデックス賞) 」を受賞しています。また、Forbes誌の「30 Under 30 (30歳未満の30人)」、TIME誌の「食品業界で最もイノベーティブな女性5人」にも選ばれています。 (写真: USPTO提供)
Gorjan Jovanovski
AirCare社CEO (北マケドニア)
空気の質をモニタリングして大気汚染対策を強化。
「当社では、大気汚染の問題について啓蒙し、人々に行動を促しています。人々を地元のNGOや環境保護団体とつなげ、地元の集会やワークショップ、働きかけが可能な政治家に関する情報を提供しています」と、AirCare社のCEO、Gorjan Jovanovsk氏は説明します。北マケドニアのスコピエがヨーロッパで最も大気汚染が深刻な都市の1つであることを知ったJovanovsk氏は、よりきれいな空気のために行動する携帯アプリを開発しました。2020年以来、同氏のアプリは、高レベルの大気汚染を懸念する市民が情報を拡散し、サステナブルな変化を促すのに役立っています。 (写真: AirCare社提供)
Jeremy Lee
SimplyGood社創設者 (シンガポール)
植物由来の乾燥させたタブレットを用いたサステナブルな洗浄液。
「掃除に使うボトルや水を消費者が再利用できるよう、SimplyGood社を立ち上げました」と、100%植物由来の清掃用タブレットを製造することにより従来の掃除方法に対して問題提起しているシンガポールのスタートアップ、SimplyGood社の創業者、Jeremy Lee氏は語ります。Lee氏の会社では、乾燥させたこの家庭清掃用タブレットによって、プラスチック包装を90%削減し、輸送時の体積と重量を減らすことにより、二酸化炭素排出量の削減につなげたいと考えています。同氏は、2022年世界知的財産の日 若者 (ユース) のための動画コンテストの最終選考に残りました。 (写真: Jeremy Lee氏提供)
David Aguilar Amphoux
生体工学技術者 (スペイン)
世界初のレゴ®製義手のクリエイターの願いは、低コストの義肢を広く普及させることです。
ポーランド症候群と呼ばれる胸壁の障害を持って生まれたDavid Aguilar Amphoux氏は、子供の頃からイノベーションの芽が出ていました。9歳のときには、お気に入りの玩具、レゴ®を使って、メカニカルアームを作り始めています。イノベーションへの情熱から生体工学を学び、世界初のレゴ®製完全可動式義肢など、社会的インパクトのある様々なプロジェクトを進めています。Amphoux氏が目指しているのは、低コストの義肢を広く普及させることです。
「障害を克服した私の経歴から、子供であっても大人であっても、夢を信じること、その実現のために戦うこと、逆境にあってもくじけないことの大切さを学ぶことができます」とAmphoux氏は語ります。「発明の成功を通じて、人生における私の役割は、人々を助けることだと理解することができました」とAmphoux氏は説明します。「スパイダーマンが言うように、大いなる力には大いなる責任が伴います。自分自身の経験から、人生における自分の役割を理解することができました。触発し、刺激し、啓発することです。」 (写真:David Aguilar Amphoux社提供)
Raquel Serrano Lledó
FIIXIT社CEO (スペイン)
カスタマイズ可能な3Dプリント式整形外科用スプリントによってギプスに変革をもたらします。
「必要としているすべての人を助けよう。」カスタマイズ可能な3Dプリント式整形外科用デバイス (具体的には、着け心地のよい生分解性軽量防水スプリント) を製造するスペインのスタートアップ企業、FIIXIT社の創業者、Raquel Serrano Lledó氏はそう語ります。FIIXIT社は、一般的な病状に対応した製品のほか、既製のソリューションが市販されていない病状に対応した一連の製品を開発しています。 (写真:Raquel Serrano Lledó社提供)
Nuriat Nambogo
Mobicare社CEO (ウガンダ)
患者と医療従事者をつなぐモバイルアプリによって暮らしを改善します。
Mobicare社のCEO、Nuriat Nambogo氏は、同社のミッションは人々の暮らしを改善することであると語ります。スマホアプリ「Mobicare」は、患者を医療従事者とつなげ、必要なケアを受けやすくします。
Conrad Tankou
GIC Space社CEO (カメルーン)
アフリカ農村部の女性が乳がん・子宮頸がん検診を受けることができるようにします。
Conrad Tankou氏は、アフリカの僻地にある貧しい農村地域で質の高い医療を手頃な価格で利用可能にするための画期的なソリューションを開発・提供している革新的な医療テクノロジー企業、GICMED社の創業者です。主として、十分な医療サービスを受けられないでいる地域において、乳がん・子宮頸がん医療の向上に取り組んでいます。 (写真:Conrad Tankou社提供)
John Mwagi
Daktari Media Africa社CEO (ケニア)
アクセスしやすい方法でケニアにおいて医学知識を提供しています。
John Mwangi氏は、公認オンライン医療研修を医師や医療従事者に提供するケニアのパイオニア企業Daktari Media Africaの創業者です。同社は、オンライン学習プラットフォーム「Dakarti」を通じて専門家の能力を高めることにより、医療行為の発展と患者の転帰改善に取り組んでいます。 (写真:IFMPA社提供)
Angela Kyomugisha
Kaaro Health社CEO兼CFO (ウガンダ)
遠隔医療コンテナ診療所と再生可能エネルギーソリューションによって農村地域の健康を向上させます。
ウガンダでは、人口の8割が農村部に住んでおり、最も近い診療所が25キロメートル以上離れているというのは当たり前です。この問題に取り組むため、Kaaro Health社のCEOであるAngela Kyomugisha氏は、遠隔医療を行うことができるコンテナ診療所を活用したフランチャイズモデルによって、医療関係の起業家を有資格の医療従事者や必要な機器とつなぐことにより、安価で高品質な医療をウガンダのすべての村で確実に受けることができるよう努力しています。また、こうした活動を支援するために、電気を利用できない地域を対象とした医療用オフグリッド再生可能エネルギーソリューションもデザインしています。 (写真: IFMPA提供)
Salvador Sancha Ros
Eneso Tecnología de Adaptación社共同創業者 (スペイン)
障がいのある方の暮らしをより便利にします。
Salvador Sancha Ros氏は、障がいのある方の自立支援と生活の質向上に取り組んでいるスペインのハイテク企業Eneso Tecnología de Adaptación社の共同創業者です。
「Enesoでは、手頃な価格の革新的なソリューションを通じて、障がいのある方の自立を支援し、より充実した暮らしを可能にするための活動をしています」と、Ros氏は語ります。
同社は、独自の技術によって設計・製造を行っており、ユーザからのフィードバックによりソリューションを継続的に改善しています。上半身が不自由な人でも頭の動きでパソコンを操作できる特許取得済のシステム「enPathia」などの製品によって、同社は数々の賞を受賞しており、感覚刺激や重度障害者用意思伝達装置の分野における製品の設計・製造において、スペインのベンチマーク的存在となっています。 (写真: OEPM提供)
Tran Nguyen Khanh An、Do Trong Minh Duc、Nguyen Hoang Phuc
換気機能付きヘルメット「VIHELM」の発明者 (ベトナム)
換気機能付きヘルメットによって、コロナ最前線で働く方々を守ります。
2020年初頭、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行する中、コロナ最前線で働く人々を守るための革新的な換気機能付きヘルメット「VIHELM」が、ベトナムの若手発明家であるTran氏、Do氏、Nguyen氏によって共同で開発されました。安全性と快適さを兼ね備えた「VIHELM」ヘルメットには、フィルタシステム、フェイスガードなどが配備されています。
「世界中でコロナ対策が行われる中、何か役に立つことをしたいと考えていました。最前線で闘ってくださっているVIHELMを必要としている皆さんにVIHELMを使ってもらいたいと願っています」と、VIHELMの発明者であり、チームリーダーであるDo氏は語ります。Do氏、Tran氏、Nguyen氏は、人々の命を救うタイムリーなイノベーションにより、ベトナムのWIPO IP Youth Ambassador (WIPO知財若者大使)に選ばれました。彼ら3人の発明家たちは、ベトナムの若き発明家やクリエーターの間で知的財産(IP) に関する認識を高めるための活動を行っています。 (写真: VIHELM提供)
Aarushi Guin
学生、発明家 (アメリカ)
腰痛をスマートに克服する方法。
世界の成人人口の8割が、悪い姿勢が原因の腰痛に苦しんでいます。アメリカのジョージア大学で学んでいるAarushi Guin氏は、このありふれた症状を解決するための独創的な方法を思いつきました。姿勢の矯正に役立てるよう、背骨の位置をモニターしてリアルタイムに警告を出すウェアラブルショルダーストラップを開発したのです。「市販の受動的な猫背矯正ベルトを改造し、異なる部位で圧力や張力を検知するセンサーを巧みに配置することで能動的に猫背を検出できるようにしました」と、Guin氏は語ります。この革新的な矯正サポーターは、良い姿勢を維持するために必要な体幹筋を鍛えるのに役立ち、腰痛を防止します。2021年には、Guin氏は、ジョージア大学科学工学フェアで若き発明者賞を受賞しました。 (写真: Aarushi Guin氏提供)
Jason Kang、Katherine Jin、Kevin Tyan
Kinnos Inc.社の創設者 (アメリカ)
感染症を予防する画期的な着色技術。
2014年に、コロンビア大学の学部生であったKang氏、Jin氏、Tyan氏の3人は、消毒時の人的ミスが西アフリカのエボラ出血熱感染の主な原因であることを知り、Kinnos Inc.社を創業しました。同社の主力製品であるHighlight®は、消毒技術を向上させる特許取得済みの着色剤プラットフォームです。このプラットフォームは、第三者による試験により、常に徹底した洗浄を行うことができることが報告されています。「将来的には、安全確認のために、医療現場だけでなく、消毒剤を使用するあらゆる場面でHighlightが使われるようになると確信しています」と、Kang氏は語ります。Highlight®は、現在、世界中の病院、救急隊、公共交通機関で用いられています。 (写真: USPTO提供)
Julián Fernández Barcellona and Vicente González Negro
Fossa Systems社CEO、CTO (スペイン)
低消費電力のIoTモバイル接続を遠隔地にもたらします。
地球上の約8割の地域ではモバイルデータ通信をまだ利用することができませんが、こうした地域 (海、砂漠など) では多くの活動が行われています。Fossa Systems社のJulián Fernández氏とVicente González氏が開発した軽量小型衛星によって世界の全地域がほぼリアルタイムでカバーされるようになり、このような状況が変わることは間違いありません。 「当社の資産監視用低消費電力IoT接続ソリューションによって、モバイルデータ通信が存在しない地域や不安定な地域でも、ユーザは、資産 (アセット) の活動を理解・把握し、プロセスを最適化し、生産性を向上させることができ、企業活動をより持続可能なものとすることさえもできます」とFossa Systems社のCEOであるJulián Fernández氏は語ります。「当社のソリューションが意思決定における変化の一端を担い、ローカルなアクションを生み出すことによって、グローバルな影響を及ぼすことを望んでいます。」 (写真:ABG IP社提供)
玉城絵美
H2L社代表取締役
人体によるデジタル環境との相互作用を拡張します。
ある瞬間の感触を親しい友人と共有できたらと思ったことはありませんか? 数々の賞を受賞している起業家であり、H2Lの創設者である玉城絵美氏は、その夢を現実のものにしています。人々、特に、外に出かけて様々な感覚を体験することが難しい人たちに夢や希望を与えるため、AIを活用した福祉用具の開発に取り組んでいます。玉城氏は、ユーザの前腕の筋肉に電気刺激を与えてヒトの手を制御するデバイス「PossessedHand」を開発し、2011年には、『TIME』誌が選んだ「The 50 Best Inventions (世界の発明50)」に選出されています。さらには、装着者の筋肉の動きを計測し、リンゴを握ったときのような身体の深部で感じる独特の感覚を他の人やロボット、バーチャルキャラクターなどに伝えることができる「UnlimitedHand」もその後発表しています。この「BodySharing」と呼ばれるシステムは、医療やエンターテインメントの分野での適用が期待されています。 (写真: H2L提供)
Imodoye Abioro
Healthbotics Limited社CEO (ナイジェリア)
ブロックチェーン技術でアフリカの医療記録をデジタル化します。
Imodoye Abioro氏は、AIを活用したクラウドベースの電子健康記録システムMediverseを開発しました。このシステムは、ブロックチェーン上に構築されており、医療従事者は、パソコン、ノートPC、タブレット、スマホから音声で患者の記録を入力し検索することができます。Mediverseで認証を行った後、世界のどこにでも患者データをシームレスに送信することができるため、インターネットがない僻地の医療現場における電子記録へのアクセスの問題を解決することができます。病院や医療従事者が高価なIT機器を購入、導入、保守する際の余計なコストが不要になります。 (写真: IFMPA提供)
Salome Tateshvili、Tamari Tateshvili、Saba Zedginidze
GoGeoGoの発明者 (ジョージア)
デジタルポケットガイドでジョージアの観光を後押しします。
3年前、Tateshvili氏、Tateshvili氏、Zedginidze氏の3人は、ジョージア (グルジア) を旅行する外国人観光客が現地の人と簡単にコミュニケーションできるようにするためのアイデアを思いつきました。3人が開発したスマホアプリ「GoGeoGo」は、観光客が交通機関を利用する際に役立ち、3人が住んでいるジョージア国サムツヘ=ジャヴァヘティ州の観光に大変革をもたらしました。このアプリでは、サムツヘ=ジャヴァヘティ州の様々な観光地について英語とジョージア (グルジア) 語で観光情報を提供しており、旅行者が法外な料金を請求されることがないよう、所要時間や料金も記載されています。GoGeoGoは、2020年ミレニアム・イノベーション賞の携帯アプリ部門で3位に入賞しました。 (写真: ミレニアム・イノベーション賞)
Jin Seong Hyung
発明家 (韓国)
電子名札: 韓国の生徒の個人情報を保護します。
プライバシー保護に関する懸念から、Jin Seong Hyung氏は、韓国の生徒の個人情報を保護するための電子名札を発明しました。「服に付け外しができる名札のように、学校の外では自動的に見えなくなる電子名札を作りたいと思っていました」と、Jin氏は語ります。同氏が発明した電子名札は、装着している人の位置を特定することができ、校内ではディスプレイに名前を表示し、校外では自動的に表示を消すことができます。このデバイスは、2021年韓国学生発明コンテストで1位となりました。 (写真: KIPO提供)
結城明姫
オリィ研究所共同創設者
分身ロボットで人類の孤独を解消します。
オリィ研究所の共同創設者、結城明姫氏は、テクノロジーで孤独を解消することに使命を感じています。結城氏が開発した分身ロボット「OriHime」は、人形のような23cmのロボットで、カメラ、マイク、スピーカーを搭載し、インターネットに接続して操作することができます。 この技術をはじめとする同社が開発した技術によって、移動に何らかの制約がある人でも、年齢や抱えている障がい、場所にかかわらず社会とつながり、社会参加を続けることができます。 (写真: ©株式会社四谷大塚)
Rebekah Dorminy
学生、発明家 (アメリカ)
寝たきりの人や意思疎通が困難な人への医療を改善します。
「私のイノベーションは、ロボットによる介護支援を普及させるための議論を始めるにあたり不可欠なものです。テクノロジーによって寝たきりの高齢者の生活の質を向上させることができるのです」と、Rebekah Dorminy氏は語ります。Dorminy氏が開発した装置は、寝たきりの人や意思疎通が困難な人の失禁関連皮膚炎 (IAD) や褥瘡の予防に役立っています。この装置は、使い捨て失禁パンツに取り付け可能なセンサー付きの通知システムと、それとは別個の再利用可能な通知デバイスとにより構成されています。在宅介護者の携帯電話にBluetoothで接続することも、医療施設の患者情報システムにケーブルで接続することもできます。Dorminy氏は、祖母が老人ホームで隔離中に失禁関連皮膚炎を患ったことを知り、コロナ禍初期の数週間でこの装置を開発しました。
「知的財産 (IP) 権をどのように保護するのか、クリエーティブなソリューションを探索している若いイノベーター、クリエイター、起業家を支援することがなぜ重要性なのかを学びました。世界知的所有権の日は、この問題についての認識を高め、私のような発明家を支援することを人々に奨励する日です」と、Rebekah Dorminy氏は語ります。 (写真: Rebekah Dorminy氏)
Canice James、Trevaun Solomon
Project Jaguar共同創業者
東カリブ海諸国でオンライン教育の機会を拡大
Project Jaguarの共同創業者であるCanice James氏とTrevaun Solomon氏は、東カリブ海諸国で教育と訓練を受ける機会を改善する使命を負っています。Project Jaguarの傘下には、生徒と教師を結び付ける低コストで堅固なオンラインプラットフォームであるJaguar Academyがあります。さらに、小学校と中学校の教師が指導スキルを磨けるトレーニングを手頃な料金で提供するSchool Jaguarもあります。Canice氏とTrevaun氏は、「アクセスしやすく安価で、教師が直接収入を獲得できる教育機会を実現する」ことが、東カリブ海諸国のさらなる発展にとって重要な要素だと考えています。 (写真: Project Jaguar提供)
Chaneil Imhoff
Packed Grocery Delivery社共同創業者
東カリブ海アンティグア・バーブーダに食料雑貨のオンラインショッピングを導入
Chaneil Imhoff氏は、Packed Grocery Deliveryの共同創業者です。Packed Grocery Delivery社は、利用者が居心地の良い家庭からアンティグア・バーブーダ全域の有名スーパーマーケットの一流品を注文できる宅配サービスを提供するデジタルスタートアップです。同社はまた、営業を通じて収集したデータを利用して、現地のビジネスコミュニティのマーケティングと購買決定をより洗練されたものにすることも目指しています。これはアンティグア・バーブーダで初の取り組みです。 (写真: Packed - Grocery Delivery提供)
Elijah James
The LocaL App社CEO (アンティグア・バーブーダ)
情報へのアクセスを改善し、リソースを共有し、コミュニティのレジリエンスを構築
The LocaL App社の創業者であるElijah James氏、デジタルコミュニティを構築し、企業と消費者を互いに結び付けやすくすることを使命としています。The LocaL App社は、革新的な位置情報に基づくガイドと、「CIRCLE」と呼ばれるショッピング・エンジン・プラットフォームを提供しています。このプラットフォームによって、利用者はビジネスやレジャーの機会、さらには気候変動対策のような重要な社会的関心事についての情報を容易に見つけることができるようになります。「イノベーションとは要するに人々の生活を向上させることです。情報にアクセスすることで、誰もがより十分な情報を得たうえで意思決定ができるようになり、重要な関心事について支援できるようになるのです」とElijah氏は言います。 (写真: The LocaL App提供)
坂東祐大
作曲家、音楽家、Ensemble FOVE代表
感情を刺激し脱構築する最先端のクラシック音楽。
数々の賞を受賞した日本の若き作曲家、坂東祐大氏は、音楽シーンの最先端をリードしています。その作品は、オーケストラ、室内楽からトラックメイキング、立体音響を駆使したサウンドデザイン、シアター・パフォーマンスなど多岐にわたっています。2016年には、新しい聴覚体験を提案してジャンルの枠を拡張することを目指す新進気鋭のアンサンブルEnsemble FOVEを創立しました。 (写真: Shinryo Saeki)
石渡祥之佑
Mantra株式会社共同創業者・代表取締役
AI機械翻訳によってマンガ文化を海外に広めます。
Mantra Inc.の共同創業者、石渡祥之佑氏は、マンガを多言語で世界中に配信する方法を見出し、マンガ海賊版対策に貢献しています。石渡氏らが開発した「Mantra Engine」は、マンガ出版物の多言語同時翻訳と配信を可能にする、AIを活用した機械翻訳サービスです。現在、国内外のマンガ配信会社、翻訳会社、出版社などが同社の技術を利用しています。Mantra株式会社では、マンガを読むことによって学習者が英語力を向上させることができる学習プラットフォームLangakuのテストも行っています。 (写真: ©︎Arai Club)
Santiago Mena López
『Encogidos』の著者 (ペルー)
言葉の力で若者の創造性を掻き立てます。
「創造性とは、人類が従来の知識を取り入れ、それとの関係性をまったく新しい方法で再構築する作業です。創造性は人間性の心髄に深く関わっているのです」と、数々の受賞歴を持つペルーの作家、Santiago Mena López氏は語り、若者にもっと本を読むことを奨励しています。ペルー最年少の作家として知られるLópez氏は、処女作『Encogidos (縮んだ者たち)』を14歳で発表しました。WIPO IP Youth Ambassador (WIPO知財若者大使)として、López氏は、WIPOアカデミーのIP4Youth&Teachersプロジェクトを通じて、ラテンアメリカ・カリブ諸国の若者の知財教育推進や知財に対する認識の向上に貢献しています。 (写真: ペルーINDECOPI提供)
Călin-Tudor Topan
画家 (ルーマニア)
知的財産 (IP) を取得した筆づかいによる印象主義と写実主義の絵画
受賞歴のあるルーマニア人画家であるCălin-Tudor Topan氏は、3年生の頃に絵を描き始めました。彼の画風は、印象主義と写実主義が混じり合ったものです。Călin氏は常々、歴史映画やSF映画に加えて、自然やルネサンス、1800年代のフランス文学から着想を得ています。特にレオナルド・ダ・ヴィンチを敬愛し、ダ・ヴィンチの芸術や科学に対する創造的で革新的な貢献を高く評価しています。WIPO IP Youth Ambassador (WIPO知財若者大使) の役割を通じて、Topan氏は、ルーマニア、中欧諸国、バルト海沿岸諸国の若い芸術家の間で知的財産 (IP) に対する意識を高めています。 (写真: Călin-Tudor Topan氏提供)
Piyush Bhanu
生物学者、Xome Life Sciences Pvt. Ltd. (インド) CEO
医療に変革をもたらすためにヒトマイクロバイオーム研究の力を活用。
「起業はジェットコースターに乗っているような感覚ですが、私はその道のりを楽しんでいます」と、インド初のマイクロバイオーム・スタートアップの1つであるXome Life Sciences社のCEO、Piyush Bhanu氏は語ります。同社は、マイクロバイオームに基づく診断・治療ツールの開発に取り組み、消費者がより健康的な生活を送り、健康に関するよりよい判断を下せるよう支援しています。また、Bhanu氏は、自社ブランド確立における知的財産権の価値を認識しています。 「特許だけでなく、商標や著作権も、消費者との信頼関係を構築する道のりにおいて、同様に重要です」と、同氏は述べています。 (写真: Xome Life Sciences社提供)
David Martínez Martín
発明家、ナノテクノロジー・生物物理学専門家 (スペイン)
細胞がどのように機能しているのかを解明する突破口を開きます。
David Martinez Martin 氏は、 ナノテクノロジーや材料工学から生物学や生物医学に至る様々な分野における画期的な発展や発明を可能にする技術を開発しています。Martin氏は、15件を超える特許を取得しています。「知的財産とは、技術革新を社会の役に立つ製品へと変容させ、富を生み出し、人々をより幸福にするための起爆剤なのです」と、同氏は語ります。Martin氏の技術は、シドニー大学 (オーストラリア)、マックス・プランク研究所 (ドイツ)、チューリッヒ工科大学 (スイス) などの世界有数の科学研究機関によって利用されています。 (写真: OEPM提供)
Maria Bravo Santillana
獣医学博士、微生物学博士、研究者 (スペイン)
動物の健康に寄与する微生物研究。
「若い女性たちに、ひらめきと、世界で活躍する力を与えたいと願っています。一緒に未来を築き上げ、アイデアや夢を実現させましょう」と、動物の健康を改善する革新的な製品を開発しているスペインの企業Ingulados社で研究者として働くMaria Bravo Santillana氏は語ります。Santillana氏は、エストレマドゥーラ大学の博士課程でイノシシの微生物叢を研究し、ヒトや動物の健康に有益な抗菌物質を作り出す能力を持つ新しい細菌株を発見しました。この発見のおかげで、動物の健康を最適化する「Ingubal」という一連の製品が開発されることになりました。 (写真: OEPM提供)
Carles García-Vitoria
麻酔科医、慢性疼痛専門医、研究者、発明家 (スペイン)
硬膜外麻酔に失敗したときの出産時の頭痛を取り除きます。
Carles García-Vitoria氏は、出産時に硬膜外麻酔に失敗し激しい頭痛に襲われるのを予防する「硬膜穿孔迅速封止キット」など、数々の発明を行い続けています。この技術は、中国、欧州、日本、米国で特許を取得しています。García-Vitoria氏は、近年、麻酔科医のための実用的なガイドである『500 Anesthesies』を出版し、学術論文も発表しています。2017年には、科学分野で最も将来性のあるヨーロッパの若手35人の1人に選ばれ、「MIT Innovator Under 35 (35歳未満のイノベーター)」にも選出されています。García-Vitoria氏は現在、スペインのバレンシアにあるHospital Intermutual de Levanteに勤務しています。 (写真: Carles García-Vitoria氏提供)