世界知的財産の日のための独自キャンペーンを展開しましょう
世界知的財産の日は、イノベーションと創造性の力を称え、知的財産 (IP) がより良い未来を築くための私たちの活動をどのように支えているかを考える絶好の機会です。2023年の世界知的財産の日のテーマは、次のとおりです。
女性と知財―イノベーションと創造性を加速する力
インスピレーションを求めて参加を希望する方は、本ページに掲載された推奨する活動、リソース、プロモーション資料を調べてみてください。
世界中の先駆的な女性たちの仕事を称え、なぜ更に多くの女性に知的財産分野への参入を働きかけることが重要なのかについて認識を高めるために、私たちの活動に参加しましょう。最新のデータによると、緩やかに増加してはいるものの、知的財産制度を利用している女性は非常に少ないのが現状です。知的財産分野で現在のようにジェンダーギャップがあるということは、私たち全員が機会を逃していることを意味します。女性がイノベーションと創造性に取り組むことで、私たち全員が利益を享受できます。今日、私たちはかつてない困難に直面しています。イノベーションと創造性のための多様で包括的なエコシステムを作ることで、持続可能な未来に移行するための全体としての能力が向上します。
今年の「世界知的財産の日」キャンペーンは、以下の機会になります。
- 世界中の女性発明者・クリエイターや起業家の素晴らしい成果を称えます。
- どんな性別の方々も利用しやすいイノベーションのエコシステムを確実に作り出すために、私たちの仕事のあらゆる面で、インクルージョンとダイバーシティを推進する取り組みを強化します。
世界知的財産の日のための独自のキャンペーンを行うにあたっては、以下の追加ポイントを参考にしてください。
「世界知的財産の日」キャンペーンのために推奨している活動
「世界知的所有権の日」キャンペーンの展開にあたっては、市民意識に関するあなた自身の目標に沿った独自のキャンペーンを展開し、ターゲットとする人々へのインパクトを最大化するために、さまざまな資料をご活用ください。
職場でのダイバーシティとインクルージョン
あなたの会社/組織が、職場でダイバーシティとインクルージョン (包括・多様性の受容) にどのように取り組んでいるかを把握しましょう。人事部と協力して、ランチやコーヒーミーティング、職場での非公式なグループディスカッションを設定してください。会社/組織の内外から女性発明者やクリエイターを招いて体験談を語ってもらい、議論を盛り上げましょう。
女性と知的財産について、学生に議論してもらう
学校や大学で働いている方々は、今年のテーマに沿った対話形式のワークショップやカンファレンス、フェアや展示会 (バーチャルまたは対面式) を企画してみてはいかがでしょうか。1回限りのイベントでも、複数回に渡るイベントでも良いでしょう。若い人たちが刺激になるような女性のロールモデルについて学び、先駆的な女性発明者・クリエイターや起業家の国内外での成果を称える機会を作ってください。
指導プログラムを開催する
意欲的な女性発明者・クリエイターや起業家が、知的財産やビジネスの経験豊富なメンターと出会える場を設けましょう。地域のパートナー (法律事務所、商工会議所、婦人会など) と協力し、知的財産制度の利益を享受する方法を知りたいと希望する女性発明者・クリエイターや起業家を対象に、知的財産やビジネスの相談会や指導セッションを無料で開催してください。
地域の女性発明者・クリエイター・起業家が発言する場を設ける
地域の女性発明者・クリエイターや起業家と協力し、全国または地元のラジオ局、オンラインラジオ、ポッドキャストプログラムに連絡を取ってください。身近にいる先駆的な女性が発言する場を作り、彼女たちのイノベーションの道程が知的財産にどのように支えられているかを伝える機会を作りましょう。
世界知的財産の日のイベントを企画する
知的財産について、そして知的財産が女性発明者・クリエイターや起業家の熱意と目標をどのように支えることができるかについて、認識と理解を深めるためにイベントは役立ちます。ウェビナー、カンファレンス、ワークショップ、座談会、コンペ、展示会などのイベントを企画し、開催してください。知的財産分野への女性の参入を促すことがなぜ重要なのか、人々に刺激を与えてくれる講演者を集めて、活発な議論を行いましょう。
ソーシャルメディアで#WorldIPDayを使って発信する
ソーシャルメディア・プラットフォームで、友人や同僚と世界知的財産の日について語り合いましょう。イベントの宣伝をするときは、#WorldIPDayを使用し、WIPO (FacebookやInstagram、LinkedIn、Twitterでは@wipo) について触れてください。
重要なメッセージ
- 1.コミットメント: WIPOは、イノベーション、創造性、知的財産の分野でジェンダーギャップを埋めるために力を尽くしています。
- 2.私たち全員の利益: イノベーションと創造性、そしてビジネスの成長を加速するためには、女性と知的財産分野を結びつけることが不可欠です。
男女の才能を平等に活用しなければ、私たちは創意と創造性の巨大な宝庫を完全に見逃してしまいます。女性の才能を効果的に活用できれば、ビジネスの成長と経済的パフォーマンスを高め、私たちが直面するグローバルな課題にうまく対応できるようになるでしょう。
- 3.増加のペースは非常に緩やか: ある程度の進歩は見られるものの、知的財産分野に参画している女性は非常に少ないのが現状です。
知的財産分野のさまざまな側面への女性の参画状況に関するデータは、まだわずかですが、国際特許制度の利用に関する最新データでは、次のように示されています。
- 2023年3月発表のデータによると、特許協力条約に基づき特許出願された技術のうち、女性が発明したものは、2018年の時点で14.4%、2022年にはわずかに増加しましたが16.2% (推定) に過ぎません。
- 現在のペースでは、特許協力条約の利用におけるジェンダー公正は、2064年まで実現しません。
- 4.進歩の測定: イノベーションとジェンダーギャップの領域をより深く理解するためには、商標、意匠、著作権といった他の知的財産分野での女性の参画に関する多くのデータが必要です。
そうするとジェンダー公正を実現するための効果的な政策策定と慣行が可能になります。
- 5.イノベーションと知的財産分野への女性の参画を妨げる障壁: 女性は多くの困難に直面しており、その結果、女性の多くが、革新的で創造的な潜在能力を十分に発揮できていません。
イノベーションと知的財産のエコシステムに女性が参画する上での障壁は、たとえば以下のようなものです。
- 科学、技術、工学、芸術、数学 (STEAM) 教育やトレーニング機会へのアクセスが不足していること。
- 育児や介護の責任が不釣り合いなほど女性に偏っていること。
- 職場にステレオタイプ、差別、偏見があり、政策と慣行にも偏見があること。
- イノベーションと知的財産に関する正式なトレーニングを受ける機会が不足していること。
- 知的財産とビジネスについて指導を受ける機会が不足していること。
- 6.歩みを進めるきっかけに: 2023年の世界知的財産の日は、世界中の才能ある女性発明者・クリエイターや起業家の活動を称える機会です。
以下も可能になります。
- 意欲的な女性発明者・クリエイターや起業家は、知的財産権がどのようにビジネス目標の実現に役立つのかを把握できます。
- 政府、企業、学界の同じ志を持つチェンジメーカーは、データや優良事例などの共有によって、イノベーションと知的財産のエコシステムの中でダイバーシティとインクルージョンを推進するために協力できます。力を合わせれば、知的財産分野のジェンダー平等をより早く実現することができるでしょう。
- ジェンダー平等とインクルージョンを進めるために何ができるのか、私たちそれぞれが方法を考えてみましょう。たとえば、
- 少女たちにSTEAM教育を導入しましょう。
- 知的財産とイノベーションのエコシステムへの女性の参画を支援する新たな政策と慣行を提唱しましょう。
- 同僚を動かして職場のダイバーシティとインクルージョンの実践を推進し、
- 協力や提携を築き上げて、すべての人の利益のためのイノベーションと創造性を加速するために、ジェンダー公正に向けた取り組みの重要性について啓発活動を始めましょう。
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