分類ガイドライン2018年版の公表

2018年7月5日

マドリッド制度に基づいたWIPOの「Examination Guidelines Concerning the Classification of Goods and Services in International Applications(国における商品の分する審査ガイドライン)2018年版」、「Classification Guidelines(分類ガイドライン)」が公表されました。本ガイドラインには、マドリッド登録部審査官が適用する審査方針に関する最新情報が掲載されています。

分類に関する欠陥リスクを最小化するため、2018年版分類ガイドラインには、商品・役務の正確な適合リストを準備するための新しい情報が記載されています。

2016年に開催されたマドリッドワーキンググループの円卓会議で発表された初版と同様、最新版は3部構成となっています: 1部ではマドリッド制度および商品・役務に関する国際分類または「Nice Classification(ニス国」の概要を取り上げています。新しいコンテンツが多く記載されている第2部および第3部では、WIPOが適用する主要な分類原則について説明し、実用的な情報や書式に関するサポートを提供しています。

最新情報

拡大された分類原則(第2部)

役務の性質および活動の分野

昨年、審査官によって指摘された最もよく見られたエラーを検討し、2018年版の第2.2部に役務の分類に関して役立つ新しい情報をまとめました。特に、役務一覧を作成する際、役務の性質および活動の分野を明確に表示する必要があります。

例えば、ウェブ上で提供される金融サービスの商標登録を申請する場合、WIPO36の「ウェブサイトを通じた金融情報の提供」は認めますが、「金融情報を掲載したウェブサイトの提供」は認めません。

他の類への参照

今年の分類ガイドラインは、他の類への参照に基づいた商品・役務に関する記述に対する警告を掲載しています。例えば、「35類のサービス用のコンピューターソフトウェア」のような表現は承諾されません。このような項目を一覧に記載することは、商標登録を最終的に遅らせるまたは妨げる欠陥(共通規則13規則に基づく)の一因となります。

新しい書式に関するアドバイス(第3部)

「The」の使用

簡潔性は重要です。ほとんどの場合、定冠詞である「The」の使用は不要です。今年の分類ガイドラインには、 「The」の使用を可能な限り避けるべきだと記載されています。

括弧:丸括弧または角括弧?

何年か前、丸括弧の使用はニース国際分類の用語に関する アルファベット一から削除されました。近年、丸括弧の用語の補足または追加情報のための使用は禁止されています。代わりに、同意語のアメリカ式(Am.)表記を表示する際に使用されます。例えば、「トラウザー/パンツ(AM.) trousers / pants (Am.)】」。

また反対に、角括弧はニース国際分類のアルファベット一覧で使用されています。丸括弧とは違い、角括弧は用語の意味を明確にしたり、正確性を追加したりする表現を含めるために使用されます。(例えば、9類の「ウィンカー[信号灯]【blinkers [signaling lights]】」)

今年の分類ガイドラインによれば、角括弧は国産物または地域的製品を定義または説明するために必要な場合使用することができます。例えば、類30の「キムチ [発酵した野菜]」または 「煎餅 [ライスクラッカー]」などです。

分類が重要な理由

WIPOのマドリッド制度を通じて出願される国際商標出願には、商標の対象となる商品・役務の一覧が必ず記載されていなければなりません。一覧は明確で、簡潔であり、各項目の区分(または「分類」)方法に関する特定の規則に従っていなければなりません。つまり、商品・役務に関する国際分類または「ニース国際分類」の原則に準拠していなければなりません。これらの要件が満たされていない場合、その出願はWIPOによる正式な審査を通過することができず、欠陥通知が発行されます。

注意! 一覧を作成する際は、Madrid Goods & Services Managerを使用してください。 本サービスは、分類の手順を示し、 および加盟国の知財庁める用語を検証する際に役立ちます。データベースを使用して一覧をまとめた後、分類ガイドラインで提出物を微調整します。

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