「知的財産、遺伝資源および関連する伝統的知識に関する条約案」に関する外交会議が、2024年5月にWIPOジュネーブ本部で開催へ

2023年12月13日

WIPO加盟国は、2024年5月13日から24日にかけ、知的財産、遺伝資源および遺伝資源に関連する伝統的知識に関する条約案の最終交渉をWIPOジュネーブ本部で行うことに合意しました。

この外交会議は、先住民族を含む様々なステークホルダーからの情報の恩恵を受けてきたWIPO加盟国間における長年の交渉の集大成となります。

遺伝資源には、薬用植物、農作物、動物種などが含まれます。遺伝資源そのものを直接的に知的財産として保護することはできないものの、遺伝資源を利用して開発された発明は、多くの場合、特許を通じて保護することができます。

また、遺伝資源の中には、先住民族や地域コミュニティが、何世代にもわたって利用・保全してきた伝統的知識と結びついているものもあります。このような伝統的知識は、しばしば科学的研究に利用され、その結果、保護の対象となる発明の発展に寄与することがあります。

「外交会議の開催決定は、20年以上に渡って行われてきたWIPOにおける複雑な交渉のブレー
クスルーとなっただけでなく、多国間主義の勝利ともなりました。この前進、協力、活力の精神
に基づき、来年5月の会議の成功に向け、WIPO加盟国が一つの共同体として結束していくこと
を期待しています。」

WIPOのダレン・タン事務局長より

外交会議の開催は昨年のWIPO総会で承認され、本日の特別準備委員会における加盟国の合意により、いよいよ最終段階に入る条約交渉の場所および時期が決定されました。

WIPOについて

世界知的所有権機関 (WIPO) は、世界中のイノベーターやクリエイターにサービスを提供し、アイデアの確実な市場投入を通じてあらゆる場所における生活の向上実現を支援する国連機関です。

WIPOは、知的財産 (IP) の国境を越えた保護と展開を目指すクリエイターやイノベーターまた起業家たちを支援するサービスを提供し、また知的財産に関する最先端の課題解決に取り組むためのフォーラムとして機能します。WIPOが発表する知的財産データと情報は世界中の意思決定者により参照されます。またそのインパクト重視のプロジェクトや技術支援を通じて、あらゆる場所のすべての人が知的財産の利益を受けられるように支援します。

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