ASEAN諸国初の知財教育に関する研修プログラム

2024年12月2日

WIPOアカデミーは、FIT/日本知的財産グローバルファンドを通じた日本国特許庁 (JPO) の支援を得て、フィリピン知的財産庁 (IPOPHL) の協力のもと、ASEAN7か国の教師、カリキュラム設計者、教育政策立案者32名を対象に、3段階にわたる研修プログラムを提供しました。本プログラムでは、2024年10月にオンラインワークショップを2回開催し、2024年11月18日から21日までフィリピンのマニラで対面式の研修を行いました。

ASEAN諸国の教師、カリキュラム設計者、政策立案者を対象として2024年11月18日から21日までフィリピンのマニラで開催された対面式の研修プログラムで集合写真を撮る参加者 (画像: IPOPHL)

本プログラムは、日本国特許庁の支援を得て、ASEAN諸国におけるWIPOアカデミーの「若者と教師向けの知的財産 (IP4Youth&Teachers) プログラム」の一環として実施されました。IP4Youth & Teachersでは、知的財産 (IP) を通じて若者の創造性、イノベーション、起業家精神を育む教育を推進しています。

本研修プログラムの内容

オンラインワークショップと対面式の研修では、教育学、知財、起業家精神、発明的問題解決理論 (TRIZ) の専門家により、様々な対象者向けに次の一連のインタラクティブな授業が行われました。

  • 「遊びながら学ぶ」アプローチを用いた知財教育のための独創的な方法
  • アクティブ・ラーニングとTRIZを通じたイノベーティブな教育戦略
  • 創造性に関する魅力的な知財教育計画の作成
  • 知財とイノベーションに関するモジュールと授業概要の開発
  • 白書の草案の作成
  • イノベーションと創造性に関する知財教育キャンペーンの計画
フィリピンのマニラにおける研修プログラムの対面段階でTRIZのグループ実習を行っている参加者 (画像: IPOPHL)

教師のグループは、教室で実施可能な創造性、イノベーション、知財に関する授業計画を立て、カリキュラム設計者のグループは、知財・イノベーション教育を全国カリキュラムに統合する方法を検討し、教育政策立案者のグループは、政策イニシアチブに関する白書を作成することにより知財・イノベーション教育を閣僚レベルで提唱する戦略について実習を行いました。  

若いイノベーターとしての歩みにおいて知財がどのように役立ったかについて対面式の研修プログラムで語り、参加者の士気を高めている、フィリピンのWIPO IPユースアンバサダーの1人、Josefino Nino O. Lingan氏 (画像: 
IPOPHL)

対面段階では、フィリピンの若手起業家3人と、フィリピンのWIPO IPユースアンバサダーJosefino Nino O. Lingan氏が、地域の若者の創造的でイノベーティブな起業家としての可能性を知財がいかにして引き出すことができるかについて自らの体験を共有し、参加者を奮い立たせました。 

参加者の声

画像: IPOPHL

インドネシア教育省のカリキュラム開発者として、創造性と知的財産 (IP) をカリキュラムに統合することについて学ぶためにこのプログラムに参加しました。包括的な授業、実践的な方法論、知財や起業家精神への刺激的なアプローチは、期待以上のものでした。ブレーンストーミングやシミュレーションなどのインタラクティブなアクティビティはとても有意義であり、コラボレーションやイノベーションが促されました。これらの学びを同僚と共有して学生たちに刺激を与え、若手発明家として成功するためのツールやサポートを提供したいと思います。」– インドネシア教育省カリキュラム開発者、Rizki Maisura氏

画像: IPOPHL

このセミナーへの参加は、私にとって変革をもたらす期待以上の経験でした。知財をカリキュラムに統合するための実践的な研修では、知財教育は、法的側面だけでなく、イノベーションの基盤である創造性の育成が重要であるものであることが強調され、貴重な学びがありました。創造性を育むことで、学生は知財の保護について理解を深め、技術移転や商業化を通じて社会に有意義に貢献することができます。このセミナーは、専門家による講義と実践的な応用により、知財教育を学生向けに発展させるために、私の教育にこれらのアイデアを取り込んでいくインスピレーションを与えてくれました。」– フィリピン科学高校中部ビサヤ校特別科学教員兼ライセンス・オフィサー、Benito Baje氏

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