米国発明法とは?
2011年9月16日に、米国でリーヒ・スミス米国発明法(AIA)に基づく特許法の改正が成立しました。AIAでは他の多くの変更とともに、米国国内出願の出願人の資格を有する者についても変更されました。
それはPCT出願人にとってどのような影響があるの?
2012年9月16日以降のPCT出願では、発明者を米国指定のための出願人として表示する必要がなくなりました。それにより、米国指定の際の出願人として、発明者が発明を譲渡する義務がある、又は、十分な独占的所有権を示した譲渡人やその他の者を表示することができます。
PCT願書様式(PCT/RO/101)は変わったの?
変わりました。WIPOのウェブサイトに修正された願書様式がございますので、そちらをご利用ください。PCT-SAFEや他の電子出願ソフトも修正されました。
米国国内出願ではまだ発明者である旨の申立てをする必要があるの?
米国国内出願において、発明者である旨の申立てはまだ必要です。PCT実施細則第214の申立ての標準文言は2012年9月16日に変更されました。2012年9月16日以降のPCT出願では、新しい標準文言を使用してください。旧標準文言を使用した場合、米国の指定官庁は国内段階でその申立てを受け付けません。申立ての新しい標準文言は更新された願書様式に記載されています。また、PCT-SAFEやその他の電子出願ソフトにも組み込まれました。新しい標準文言に対応していない出願ソフトを使用するのであれば、出願後に新しい標準文言での発明者である旨の申立てを提出することをお勧めします。これは、ePCTサービスのアップロードドキュメント機能を使って、国際事務局に直接提出することも可能ですし、申立て様式を米国特許商標庁(USPTO)のウェブサイトから入手して国内段階の際にUSPTOに対して直接提出することも可能です。
PCT規則も改正されたの?
PCT規則には米国法の要件、つまり発明者名で出願を行わなければならないとする要件(2012年9月16日より前)に対応する規定が含まれていました。しかし、AIA改正後は、PCT出願で米国を指定する際にそれらの規定は不要になりました。PCT規則改正は2012年10月のPCT総会で採択され、2013年1月1日に発効されました。
実施細則や受理官庁ガイドライン、各種様式も米国法の改正を受け修正されました。
PCT出願の際に旧出願様式や更新前の電子出願ソフトウェアで米国のみの出願人として発明者を表示したり、米国を除くすべての指定国の出願人として出願人を表示したりした場合はどうなるの?
2012年9月16日以降に米国のみの出願人として発明者が表示された場合(または米国を除くすべての指定国の出願人として出願人が表示された場合)、PCT規則92の2に基づく変更の記録の要請が提出可能である旨のお知らせが受理官庁(PCT/RO/132)[英語版] 又は国際事務局 (PCT/IB/345)[英語版] から出願人に送付されます。
PCT出願をする際に、発明者である旨の申立てを旧標準文言で行ったらどうなるの?
米国の指定官庁は、2012年9月16日以降、旧標準文言での発明者である旨の申立てを受け付けません。PCT出願に際して旧標準文言で申立てが行われた場合、国際事務局はPCT規則26の3.2(a)の規定により、出願人に対し優先日から16ヶ月以内にその申立てを訂正するよう求めます(PCT/IB/370)[英語版]。国際段階において期限内に受理可能な申立てが提出されなかった場合は、国内段階で提出が求められます。なお、国内段階の開始日以前に発明者である旨の申立てが提出されていない場合は、追加料金の支払いが求められます。
- 翻訳の過程で不正確な記載が生じている場合には、全て英語版に記載されたものが優先されます。