2024年7月19日に発生したシステム障害の影響を受けたユーザ向けのPCTガイダンス
2024/07/23
1) WIPO国際事務局の見解では、特許協力条約に基づく規則 (PCT規則) の下、規則82の4.1の規定が、2024年7月19日に発生した世界的なシステム障害による不通を巡る現在の状況に対して適用可能な措置を定めています。この不通を理由としてPCTで定められる期間を遵守できなかったPCT出願人は、この規則に基づき、期間が遵守されなかったことによる遅滞についての許容を請求することができます。WIPO国際事務局は、全てのPCT官庁及び国際機関に対して、同様にこの解釈を用いるよう勧告します。
2) PCT規則82の4.1では、「……電子通信サービスの全般的な不通その他これらに類する事由……」を含む事由による不可抗力の事態により、PCTで定められる期間 (書類の提出及び/又は手数料の納付に関するものを含む) が遵守されなかったことによる遅滞について、許容が規定されています。
3) WIPO国際事務局並びに受理官庁としての国際事務局は、2024年7月19日に始まった不通を理由としてPCT規則82の4.1の規定に基づきなされる請求を優遇することとし、PCT規則82の4.1(d)の規定に従って証拠の提出の必要性を放棄することとします。WIPO国際事務局は、PCT官庁及び国際機関に対して、これと同様の解釈を用いるよう勧告します。
4) この世界的なシステム障害及びその余波による不通により、優先期間内にPCT出願を提出できないPCT出願人は、12か月の優先期間の満了日から2か月以内に提出できる場合には、PCT規則26の2.3の規定に基づいて当該規定を適用する受理官庁に対して、優先権の回復を請求することができます。その際、特に受理官庁としての国際事務局は同規則の規定及びその基準全てを適用することにも留意してください。