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保護への道 – 優れた商標戦略は最初から始まる

2020年12月

Kathryn Park( 戦略的商標コンサルタント、元GEブランドマネージメント担当ゼネラルカウンシル、米国コネチカット州)

新しいブランドの導入は、計算されたリスクを取る必要があり、コストのかかる創造的事業です。多くの場合、弁護士が関わっています。一般的に注目されるのは、ブランディングコンサルタント、検討中のブランディングオプションに関する評価を提供する調査およびフォーカスグループ、ブランドストーリーを作成するマーケティングチーム、発売を告げる集中的な販促キャンペーン、そしてもちろん、ブランドを発表するCEOです。しかし、騙されてはいけません。製品の発売を円滑に成功させるには、法的なガイダンスが不可欠です。

商標を保護する方法については多くのことが書かれてきました。保護可能なブランドを確立する上で最も重要なステップの1つは、商標のクリアランスです。ただし、商標クリアランス調査の取り組みは様々です。効果的な検索を行う方法を決定するには、いくつかの戦略的な問題を解決する必要があります。あなたが社内弁護士なのか、または社外弁護士としてクライアントに助言しているのかにかかわらず、以下のヒントは手引きとして役立つでしょう。

製品の発売を円滑に成功させるには、法的なガイダンスが不可欠です。

期限と予算を設定する

適切な商標クリアランス調査にかかる時間と費用についてクライアントを教育し、予算を設定します。ビジネスプランが承認されると、マーケティングチームは通常、すぐにブランドを立ち上げることを望みます。したがって、弁護士はそれが不可能な理由として、例えば、商標を確保するための時間が必要で、プロジェクトを進めることはできるが、そうすることでより多くのリソースを費やす必要があることを説明することが重要です。さまざまな法域における弁護士の機能に関しての予測できない変化や、潜在的なリスクを評価するための追跡調査の潜在的な必要性を考えると、多国間での調査が必要な場合、ブランドの立ち上げを迅速に行うことは難しいかもしれません。弁護士の関与が早ければ早いほど、迅速な商標のクリアランスを得られる可能性が高くなることは言うまでもありません。弁護士は、予備検索のトラブルシューティングを行い、使用できない可能性のある商標や登録不可能な商標を除外することができます。

検索する場所を選択する

使用する商標のクリアランス調査をするために検索する場所を選択するのは、当初の想像よりも複雑になる場合があります。多くのブランドは複数の法域での使用を目的としていますが、真のグローバル商標検索を引き受ける企業は、あるとしてもごくわずかです。実際には、企業は最も重要な市場でのみ検索を実行することを選択します。このような妥協をする理由は、彼らは商標が重要な市場で利用可能である場合、他の場所で深刻な課題に直面する可能性は低いと考えるからです。ただし、これら重要な市場を特定する際に、最大の潜在的顧客層を単に拡大するだけでは不十分です。もちろん、これらの市場は重要ですが、クライアントの主要な競合他社が拠点を置いている国と、商品を調達している国を考慮することも重要です。たとえば、欧州連合の共同体商標データベースを検索すると、ヨーロッパの市場競争大まかに把握することができますが、クライアントの競合他社がドイツに拠点を置く企業である場合は、ドイツ商標庁のデータベースの検索も検討する必要があります。

今日、より高速で包括的なグローバル商標検索を約束し、提供する多くの優れたサービスがあります。 人工知能により、検索結果を集め、配信する速度が大幅に向上しました。

また、税関当局でクライアントの商標の記録を依頼する国を検討する必要があります。これは偽造品に対する国境の取締りと保護に重要な役割を果たしています。これらの文書は通常、対象となっている国で有効かつ存続している商標登録に基づいています。税関は、偽造品の輸出(および輸入)を停止することができます。クライアントが検討している商標が違法にコピーされる可能性のある製品を特定する場合は、偽造品の製造および輸出のリスクが高い国も検索戦略に含める必要があります。

検索する区分を決定する

商標は、提案された商標が使用される1つ以上の商品・役務の区分に従って検索されますが、関連する商品・役務を広範に観察することで戦略的な利点が得られることがよくあります。関連する区分の商品・役務の商標の先使用者がその業務をクライアントの関心のある区分に拡大している可能性がありますが、関連する商品・役務の登録をまだ申請していない可能性もあります。または、クライアントが将来、商標の使用をさまざまな区分の商品に拡大することを決定する可能性もあります。 これらを評価するには、商標が使用される業界に関する十分な知識が重要です。

記述的商標 – クリアランス調査に関して高まるリスク

商標弁護士は、提供されている製品またはサービスをまったく示さない造語(例:Pepsi®またはOreo®)または任意の言葉(例:Apple®またはAmazon®)といった最も強力な商標についてクリアランス調査することが最も簡単であることを知っています。そして登録後の保護も最も簡単です。

しかし、世間一般の見解は、多くの企業に対して商標は買い手に彼らが何を購入しているのかを示すべきであると要求しています。商標が記述的になるほど、クリアするのが難しくなります。商標登録機関には、多くの場合、わずかな違いの解析を必要とする類似した商標が寄せられています。商標の要素が特定の分野で一般的に使用されている、または特定の分野について説明している場合、弁護士はそのような商標の数を考慮する必要があります。他社がそれらの商標を同じ製品または重複する製品に使用しており、提案された商標と非常に類似しているかどうか、そして、先に登録された商標のいずれかが、所有者が強化された保護を受ける資格があると主張するのに十分な程度に認知されているかどうかを検討します。

商標弁護士は、提供されている製品またはサービスをまったく示さない造語(例:Pepsi®またはOreo®)または任意の言葉(例:Apple®またはAmazon®)といった最も強力な商標についてクリアランス調査することが最も簡単であることを知っています。そして登録後の保護も最も簡単です。(写真:NicoElNino / iStock / Getty Images Plus)

記述的商標のクリアランス調査をするための追加のステップとして、先使用者の登録と申請で特定された商品・役務を精査することが挙げられます。商標が識別に使用される実際の商品・役務を商標の識別において具体的に示す必要がある米国では、商品が十分に区別できる場合、類似の商標を使用および登録することが可能な場合があります。しかし、より一般的な識別や類見出しで十分な他の多くの法域では、同意または併存契約がない限り、商標を登録できない場合があります。

同意と併存契約 – リスクと報酬

検索により、同一またはほぼ同一の商標の先使用者または登録者が見つかった場合、クライアントにこの悪いニュースを伝えることは困難です。しかし、商標の使用に同意する、または特定の条件のもとで新しい商標と併存することに同意するという形で、第三者との合意を得られる場合もあります。そのような合意を提案する際は、まず先登録者が提案を受け入れる可能性を考慮し、次にクライアントにそのような同意に対して支払いをする意思があるかについて考えます。許可が得られない場合、または許可の補償額に同意できない場合に、クライアントが提案された商標を諦める準備ができていない限り、同意を求めることはリスクを伴います。許可を求めることは、先使用者の権利の有効性を暗黙のうちに認めることを意味します。したがって、同意を求めたにも関わらず、同意が得られなかった場合に商標の使用を続行すると、故意の侵害請求が生じる可能性があり、それは他の結果と比べても、とりわけ大きな損害につながる可能性があります。

また、そのような契約が、登録を希望する国の商標庁によって承認されるかどうかを精査する必要があります。すべての官庁がそのような契約を自動的に容認するわけではありません。容認している国でさえ、契約を厳しく審査し、その条件が消費者の混乱を十分に防ぐものではないと彼らが判断するならば、それを受け入れることを拒否するかもしれません。この分野に関して経験豊富な弁護士は、この点について貴重なガイダンスを提供することができます。

使用する商標のクリアランス調査をするために検索する場所を選択するのは、当初の想像よりも複雑になる場合があります。」

3番目の考慮事項は、登録への同意、または商標の使用に関する併存契約は、多くの場合、現在の使用法のみに対応しているということです。市場は進化しており、将来の変化を予期しない合意は事業拡大に深刻な問題をもたらします。また、各当事者の権利に関する問題を解決するために、費用のかかる複数の管轄区域での訴訟を引き起こす可能性があります。

調査会社への高まる依存と健全な法的判断を伴うテクノロジー

今日、より高速で包括的なグローバル商標検索を約束し、提供する多くの優れたサービスがあります。人工知能により、検索結果を集め、配信する速度が大幅に向上しました。ただし、この方法で生成された検索結果には、堅牢な法的分析と適切な判断を用いる必要があります。多くの場合、製品とその市場の性質、潜在的な顧客の知識(またはその欠如)、業界の慣行によっては、検索レポートでリスクの高さが報告された商標でも、他の要因を考慮した際にあなたとクライアントにとっては容認可能な場合があります。同様に、検索報告によって「クリア」とされた商標であっても、クライアントのビジネスにとって既知の事実を考えると、実際にはリスクをもたらす可能性があります。

不正な法務に注意する

意見を述べるときは、自分の限界を把握しておいてください。近年、世界中のどこかで登録または使用されている商標に関する情報には、これまで以上に簡単にアクセスできるようになりました。ただし、問題となっている法域での実務を許可されていない限り、商標の利用可能性について法的な意見を述べることには注意してください。まず、自国で問題を引き起こす可能性のあるものでも、他の国では異なって認識されているかもしれません。第二に、特定の国または地域内で法律がどのように適用されるかを理解している商標専門家は、それらの場所で発生する可能性のあるリスクについて、クライアントにアドバイスすることができます。そして第三に、許可を得ていない場合、少なくとも一部の国では、無許可の法律行為で告発される可能性があります。

市場動向を把握する 

商標を使用する可能性のある業界の傾向に注意してください。クライアントの競合他社が誰であるかを確認し、検索戦略を立てる際には、彼らの商標を確認します。多くのブランディング企業は、クライアントが新しい商標を確立する際に業界のトレンドを利用します。これらのトレンドは、現地でスムーズに普及する新しいブランドを探している企業にとっては有利に働くかもしれませんが、他の企業も同様の商標を検討している可能性があることを意味します。特に、商標出願の提出から商標登録の開始(および検索可能性)までの時間がかかることや、工業所有権の保護に関するパリ条約に定められた登録期間があることから、非常にトレンディな商標の採用にはリスクを伴います。

さらに、後で記述的であると判断される可能性のある用語を採用するリスクを考慮してください。企業がインターネットに接続されたデバイスに対して「スマート」という用語で商標出願を最初に提出し始めたとき、商標庁は免責事項の要件なしで登録を許可していました。しかし、この用語は商標登録機関によって能力を意味するものとして理解されるようになったため、もはや商標登録の保護可能な要素ではありません。「スマート」という商標の商標権を取得した企業でさえ、「スマート」という商標分野へのその後の参入者に対して商標権を行使することはできませんでした。

プロセス全体で常識を適用する

商標のクリアランス調査には、常識も必要です。なじみのない用語の意味を理解するよう努めてください。ほとんどの企業が自社製品に関連付けたくないような意味を持つ単語であるという理由により、商標はクリア(つまり利用可能)になるでしょうか? 次に、商標が複数の国で使用される場合、商標がどのように解釈されるか考えてみましょう。ある地域で望ましい商標が、別の地域では製品のネガティブなイメージを伝えたり、感情を害したりする場合があります。驚いたことに、マーケティングチームはこれらの問題を常に認識しているわけではありません。不注意なブランドメッセージから法的な問題が発生する可能性があるため、優れた弁護士はこのような分析を業務の一部として実践しています。

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