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コロンビアのエル・ボスケ大学が知的財産を利用して技術移転能力を構築

2023年2月

著者: Juan Carlos Suarez D氏、ディレクター、イノベーション・知的財産・技術移転に関する法務室、María Camila Duque D.氏、知財弁護士、イノベーション・知的財産・技術移転に関する法務室、及びSara Sofía Roncancio氏、知財テクニカル・アドバイザー、イノベーション・知的財産・技術移転に関する法務室、エル・ボスケ大学、コロンビア

他の多くの私立大学や州立大学と同様に、コロンビアのエル・ボスケ大学も以前から知的財産の重要性を認識していましたが、優先課題にしていませんでした。しかし、活発なイノベーション・エコシステムを構築するために、2019年に知的財産に対するアプローチを強化しました。その一環として、イノベーション、教育および起業活動のためのハブを設立しました。HUB-iEXと呼ばれるこのハブは、学術研究者と起業家が協力してイノベーションのパフォーマンスを改善し、事業を成長させるための場です。これと並行して、知的財産管理戦略の策定と実行に着手しました。その目的は、初期段階にある本学のイノベーション・エコシステムを支え、学術分野における知的財産管理のグローバル基準になるという野心的目標を支援することです。

2019年にエル・ボスケ大学は、活発なイノベーション・エコシステムの構築を目指して、知的財産に対するアプローチを強化しました。(写真: エル・ボスケ大学提供)

このため、本学は知的財産管理戦略の構想と実施に向けて、HUB-iEXの枠組みの中で「イノベーション・知的財産・技術移転に関する法務室 (OLIE)」を設置しました。この3年間、OLIEは、学術分野に特有のニーズに合わせた知的財産管理戦略を策定・実行する上で主導的役割を果たしてきました。OLIEのリーダーシップ・チームには、知財弁護士のJuan Carlos Suárez氏とMaría Camila Duque氏、生物工学者のSara Sofía Roncancio氏が参加しています。チームの各メンバーは、技術移転および知的財産の商品化に関して足りない部分を補完するWIPOの有益な知財研修を受けました。

本学のアプローチは、知的財産制度の理解と利用、技術移転機会の促進という点で、すでに成果を上げています。

OLIEのアプローチの特徴は、学生、研究者、教授、起業家、イノベーター、提携企業を知財管理戦略の中心に据えていることで、大学内外での知的財産の利用を促進するために、彼らに実践的な支援サービスやツール、リソースを提供しています。

このアプローチは、知的財産制度の理解と利用、技術移転機会の促進という点で、すでに成果を上げています。

例えば、2021年にJaime Castellanos氏とEliana Calvo氏が率いる研究チームは、COVID-19を検出する費用対効果の高い技術を開発しました。このソリューションにより、検査で非常に良好な結果が得られました。OLIEの支援のもと、研究者たちはコロンビアで国内特許出願を行い、その後、他のさまざまな市場で保護を受けるために特許協力条約 (PCT) に基づく国際特許出願を行いました。OLIEはまた、彼らの技術に必要な規制当局の承認の取得を支援し、さらに商品化交渉もサポートしています。

また、本学のSandra Perdomo氏が率いる別の研究チームは、ヒトパピローマウイルス (HPV) を検出する有望なバイオセンサーを開発しました。ここでもOLIEは、コロンビアで技術を保護するための国内特許出願と、PCTを通じた国際的保護の申請を支援しました。現在、OLIEは研究者らと協力し、技術の商品化に向けて技術移転プロセスを指導しています。

2019年、エル・ボスケ大学は活発なイノベーション・エコシステムの構築を目指してHUB-iEXを設立しました。このハブは学術研究者と起業家が協力してイノベーションのパフォーマンスを改善し、事業を成長させるための場です。(写真: エル・ボスケ大学提供)

大学の知財資産の商業的可能性の検討

OLIEが最初に取り組んだのは、学内で開発中の発明について、技術移転の可能性を詳しく調査することでした。技術的および法律的観点から、各発明の商品化の可能性を評価しました。現時点で本学は、特許出願中または特許取得済みで商品化の過程にある技術を13件保有しています。

エル・ボスケ大学の知財管理戦略のその他の特徴

本学の知財管理戦略には、以下のような重要な特徴もあります。

  1. 知的財産および技術移転に関するポリシー: 2022年2月に本学は、知的財産および技術移転に関する新しいポリシー pdf を策定しました。このポリシーは、大学での研究から生じた知的財産権の使用、保護および活用に関する明確な指針をすべての利害関係者に示すものです。また、イノベーションや起業活動にとっての知的財産の重要性や、研究者、発明者および創作者のインセンティブ、研究成果の技術移転および商品化に対する大学のアプローチについても明記しています。
  2. 研究者と教授向けの特別な知財プログラム: この短いオンラインプログラムは、研究開発プロジェクトを準備・開始する際の、知的財産に関する重要な時期と検討事項を実践的に解説しています。過去2年間に、このプログラムを通じて150名を超える研究者と教授に研修を実施しました。また、研究開発プロジェクトに参加する研究者のために、特許情報の戦略的価値および利用に関する特別ワークショップも開催しています。
  3. 起業家を対象とした組織的な知財プログラム: 「Entrepreneur protect your Trademark」と名付けられたこのプログラムは、商標の保護が必要な理由と保護の方法に関して、起業家の認識を高めるものです。このプログラムは毎学期開催され、商標権の保護と管理に関する専門家のアドバイスを無償で提供しています。これまでに70名を超える起業家がこのプログラムを活用して、市場で商標を保護し、使用しています。
  4. 大学向けの知財指導プログラム: この短いオンラインプログラムは、本学が知財管理の経験から得た知見を共有するもので、国内外の大学の知的財産とイノベーションのエコシステムの発展を支援することを目的としています。本学はOLIEを通じて、コロンビア、エクアドル (エクアドル研究アカデミー開発公社 (CEDIA) と共同) およびペルー (公正競争・知的財産保護庁 (INDECOPI) と共同) の大学を対象に、効果的な知財管理システムを構築・強化する方法について、さまざまな組織的な指導プログラムを運営しています。
  5. 研究開発プロジェクトにおける知的財産の利用法に関する認定プログラム: 本学は最近、企業、公的機関、研究センター、大学を対象に、研究開発活動での知的財産の利用法に関する認定プログラムを開始しました。実践的な内容に焦点を合わせたこのプログラムは、研究開発プロジェクトから生まれた知的財産の有効な利用、保護および活用を可能にするスキル向上を支援します。現在、コロンビア陸軍の研究開発部門から選ばれた20名がこの認証プログラムに参加しています。
  6. 技術・イノベーションサポートセンター (TISC): 2019年、本学はWIPOの技術・イノベーションサポートセンター (TISC) のグローバル・ネットワークに参加しました。TISCを通じ、コロンビア知財庁 (工業・商業の監督機関) の支援のもと、本学は学生や教授、研究者、発明者などの研究開発活動を支援するために、特許データベースなどの知財関連情報リソースの活用方法について助言を提供しています。エル・ボスケ大学TISCは、本学の重点研究分野に合わせて、医療セクターに特に重点を置いています。同TISCは最近、医療系シンクタンク (INNOS) を支援して、医療セクターで多く発生する知的財産の問題を解説する10本のビデオクリップを作成しました。このコンテンツはINNOSのウェブサイトで閲覧できます。
  7. さまざまな学問的バックグラウンドの学生を対象とした特別モジュール: 本学は、さまざまな学問的バックグラウンドの学生を対象に、知的財産、イノベーション、創造性に関する先駆的な新モジュールを作成しました。2022年2月に開始され (毎学期実施されている) このモジュールは、エル・ボスケ大学のプログラムに参加するすべての学生を対象とし、実践的な視点から知的財産について学び、ソーシャルメディア、映画やテレビ番組、音楽、ビデオゲーム、技術など関心の高い問題と知的財産の関連性を発見することができます。このモジュールの目的は、次世代の発明者や創作者を支援し、知的財産制度の有効利用を通じて自身の創作物の価値を活用するために必要な知識とスキルを提供することです。
  8. 知財保護戦略: OLIEは、本学の革新的で創造的なアウトプットを特許や意匠権、商標、著作権などさまざまな方法で特定し、保護し、管理するため、技術や法律に関するサービスを提供しています。前述のとおり、2019年以降、OLIEは本学で開発中の発明と、民間セクターとの提携や商業ライセンスを通じた技術移転の成功の可能性に関する総合的なカタログを整備しています。
  9. 大学の知財コミュニティに参加するための知財の窓口: コロンビア内外の大学での知的財産に対する関心の高まりを受けて、エル・ボスケ大学はネット上に知財窓口を開設しました。この窓口を通じてユーザーは意見を交換し、経験を共有し、知財関連の問題について助言を求めることができます。本学に関係のある人は誰でも、このオンラインフォーラムに参加し、知的財産に関する知識を増やすことができます。

エル・ボスケ大学は今後もコロンビア内外の大学との提携を強化し、研究成果を市場に届け、消費者に利益をもたらすよう、[中略]技術移転を促進していきます。

今後の計画

今後、エル・ボスケ大学は近年の知財管理戦略の成功を生かし、小規模な大学や比較的新しい大学へのアウトリーチをさらに強化して知的財産の特定と管理を支援する予定です。また、コロンビアの医療イノベーション・エコシステムの発展を支援するために、医療セクターで活動する起業家や発明者、スタートアップ、組織への特別な知財管理サポートを開始することも計画しています最後に、本学は今後もコロンビア内外の大学との提携を強化し、研究成果を市場に届け、消費者に利益をもたらすよう、大学内で開発された技術の移転と商品化を推進する予定です。

エル・ボスケ大学 - 知財管理の主な内容

  • 積極的な知的財産及び技術移転の方針
  • 技術・イノベーション サポート センター (TISC) の稼働
  • 知的財産と技術移転に関連する問題を検討する大学コミュニティのためのワンストップ・ショップ (イノベーション・知的財産・技術移転に関する法務室)
  • 13の技術を本学で開発し、関連する特許を取得 (うち9件は医療関連技術)
  • 民間企業への技術移転が行われた発明は4件
  • 150名超の研究者と教授に知的財産および研究開発プロジェクトに関する研修を実施
  • 70名超の起業家に商標登録に関する助言を提供
  • さまざまな学問的バックグラウンドの学生を対象とした、クリエーターとイノベーターのための知的財産に関するモジュールを作成
  • 学術機関向けの、知的財産と研究開発に関する認定プログラム

エル・ボスケ大学のHUB-iEXについて

HUB-iEXは、国および地域のイノベーションと起業活動を促進・強化するためのイノベーション・センターです。

このハブは、イノベーターと企業、大学を結び付け、彼らの創造力と独創性を刺激して技術・社会・産業の問題を解決することを目的に設立されました。

さまざまな関係者の協力によるイノベーションがHUB-iEXの中心であり、知的財産管理と技術移転が重要な戦略的要素です。

エル・ボスケ大学のHUB-iEXは、コロンビア政府により医療イノベーション活動の専門的な連結点であると評価されています。

WIPOは、学術機関における組織的なイノベーション・エコシステムの構築を実現することによって、大学や研究室から企業や一般ユーザーへの技術移転を支援しています。その目的は、科学研究がもたらす恩恵を社会全体で広く享受できるようにすることです。(写真: Dilok Klaisapataporn氏 / iStock / Getty Images Plus)

技術移転を支援するWIPOの役割

WIPOは、学術機関における組織的なイノベーション・エコシステムの構築を実現することによって、大学や研究室から企業や一般ユーザーへの技術移転を支援しています。このエコシステムは、すべての当事者が参加し、さまざまなステークホルダー間の包括的で開かれた対話を支援するよう設計されています。

これにより、学術機関から生まれた科学進歩の恩恵が広く社会全体で享受できるようにすることを目指しています。WIPOは専門知識を提供し、専門家、実務者、ステークホルダーのネットワークを活用して大学のさまざまな活動を支援し、イノベーション・エコシステムの主要な柱に戦略的に重点を置いて次のような活動を行っています。

  • 望ましい法的枠組みの整備 - 国内の技術移転政策と大学の知財ポリシーに関する統一テンプレート (ひな型) の策定を支援 (組織レベルでの構想と実施を含む)
  • 技術移転の仲介組織の設置 – 技術移転機関 (TTO) / 技術・イノベーションサポートセンター (TISC)、テクノパーク、TTO/TISCネットワーク – に関する政策および運営支援を提供
  • 人的資本と、交渉力や無形資産の価値評価能力など研究成果の商品化に必要なスキルの開発を支援することにより、研究成果の広範な利用を実現
  • 資金調達など、学術機関が直面する市場の問題に対応するプログラム
  • 技術移転に関する専門リソース ̶  知財ツール (ライフサイエンスなどの特定分野のツールを含む)
  • /地域関連の技術移転プロジェクト 確認されたニーズの評価と持続可能なソリューションの提案
  • WIPOウェブサイト知的財産および技術移転ページおよびその他のフォーラム (TISCネットワークなど) を通じて、優れた事例や実用的ツールに関する情報へのアクセスを迅速に提供

WIPO Magazineは知的財産権およびWIPOの活動への一般の理解を広めることを意図しているもので、WIPOの公的文書ではありません。本書で用いられている表記および記述は、国・領土・地域もしくは当局の法的地位、または国・地域の境界に関してWIPOの見解を示すものではありません。本書は、WIPO加盟国またはWIPO事務局の見解を反映するものではありません。特定の企業またはメーカーの製品に関する記述は、記述されていない類似企業または製品に優先して、WIPOがそれらを推奨していることを意図するものではありません。