水は全生命の源です。それは私たちの存在、そして健康に必要不可欠なものです。しかし、世界の多くの地区や地域では、水不足がこれまでになく頻繁に起きており、被害地に重大な影響を及ぼしています。
乾燥した高地の多くでは、降水量の少なさと枯渇している地下水源に起因する深刻な水不足に直面しています。これらの地域は、土地の劣化や農村部の移動から低水準の栄養や健康、識字率の低さまで、様々な課題を抱えています。
German Water Foundation(WasserStiftung®)でボランティアを務める産業デザイナーのPeter Trautwein氏によって開発されたCloudFisher®と呼ばれるテクノロジーにより、霧から清潔な飲料水を収穫し、深刻な水不足に直面している霧が頻繁に発生する沿岸部の乾燥した高地のコミュニティにその水を届けることが可能になりました。Trautwein氏が代表を務めるミュンヘン拠点の営利目的企業、Aqualonisが、CloudFisher®テクノロジーの商品化および推進を担当しています。
2013年から2016年にかけて、German Water Foundationはモロッコで最も乾燥している地域の一つ、ボウメツギダ山の傾斜地でPeter Trautwein氏と協働作業を始めました。それは、効率的で持続可能な霧収穫システムを開発、試験、改良するのに理想的な場所でした。CloudFisher®テクノロジーは、 強風に耐えることができ、メンテナンスがシンプルです。その先駆的なデザインが霧収穫を新しい水準へと高めています。
ボウメツギダ山は、1年のほとんどが大西洋から流れてくる霧と雲で覆われています。この山の斜面に暮らす村人たちは長年、年間降水量の低さおよび枯渇している地下水源による深刻な水不足、そして、それによるストレスに悩まされてきました。
現在、CloudFisher®はこれらのコミュニティに安価で持続可能な浄水源を提供しています。今日、山の斜面に暮らす村人たちは、文字通り彼らを包む霧や雲の中に浮いている豊富な水源へのアクセスを手に入れました。CloudFisher®のネットは年間で1平方メートル当たり約22リットルの水を霧から採取します。また、この山では11月から2月にかけて、1平方メートル当たり最高60リットルの水が収穫されます
CloudFisher®は、鋼製の枠にかけられた細かいメッシュのネットで構成されています。ネットは、その麓の村にあるコレクターに付随する一連のゴム製拡張機によって固定されています。拡張機は支持格子や布地をピンと張り、強い突風に対するバッファーの役割を果たしています。
ネットは、水の収穫を最大化するために、風に対して垂直となるよう設置されています。ネットの細かいメッシュに捕らえられた水滴は、凝集し、メッシュに沿って麓の村のコレクターに滴り落ちます。
このテクノロジーは迅速かつ簡単に設置でき、メンテナンスも容易であるため、資金やスペアパーツがせいぜい限られている水源の乏しい地域にとっては理想的な解決策です。
CloudFisher® はGerman Water Foundationが所有する登録済みの商標で、テクノロジーは実用新案および特許で保護されています。
「このテクノロジーは例えば、醸造所などによって商業目的で使用される可能性があるため、私たちは、他人による模倣を防ぎ、他の人の権利を侵害することを恐れずに活動する自由を確保するためにこのシステムを保護しました。
このテクノロジーは家庭に大きな影響を及ぼしました。現在、村人たちの自宅には新鮮で清潔な飲料水の出る水道管があります。これは、かつて水を汲むために何時間も費やしていた大人の女性や女の子供たちがより生産的な活動に時間を費やせるようになったことを意味します。女の子供たちはより多くの時間を勉強に充てられるようになり、大人の女性たちは果物や野菜の栽培により多くの時間を避けるようになりました。
Aqualonis は現在、タンザニアの高地高原にあるカメユ中学校にCloudFisher®霧コレクターを設置しています。これにより、この学校の300人以上の生徒および教員に清潔な飲料水を提供し、学校の菜園に水を弾くことが可能になります。
モロッコのCloudFisherについての詳細情報 Youtube.