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プエルトリコの法学生の知財意識啓発を図る取り組み

プエルトリコのインターアメリカン大学で法律学を教えているLorraine Juarbe教授は、「世界知的財産の日2023」動画コンテストのことを知り、学生たちに知的財産権の重要性を理解させるのに、これ以上の方法はないと考えました。Juarbe氏は学生を集め、皆で協力して入賞を目指して作品制作に取り組むよう勧めました。学生たちは、応募作品を制作する過程で、発明者や創作者や起業家にとって知的財産権がなぜ重要なのか、包摂的で多様性のある創造的な生態系 (エコシステム) からすべての人がどのような恩恵を受けているのか、あらゆる分野で知的財産に対する理解と認識を高めることがなぜ重要なのか、といったことについて真剣に考える必要がありました。彼らの作品は厳しい競争を勝ち抜き、72カ国180作品の中から3位入賞を果たしました。

目まぐるしく変化するデジタル社会における知財教育の重要性

プエルトリコのインターアメリカン大学Office of Systemic Legal Advice
(体系的法律助言事務局) 事務局長のLorraine Juarbe氏は、「世界知的
財産の日2023」動画コンテストが、学生たちに知的財産への理解を
深めさせるためのまたとない機会になると考えました。
(写真:作品を登録する)

変化の激しい今日のデジタル社会において、Juarbe氏は学生たちが知的財産権に精通し、知的財産制度を使いこなせるようになることを強く願っています。「意図せざる権利侵害を避けるために、誰もが知的財産権についてしっかりと理解するべきでしょう」と、Juarbe氏は言います。「インターネットは世界的なコミュニケーションのための素晴らしいプラットフォームですが、自分たちが利用しているコンテンツが、その制作を生業とする誰かによって作られているという事実を人々は往々にして見過ごしがちです」

Juarbe氏は、ミレニアル世代が技術に精通していながら、技術の開発プロセスやその使用に関するルールについてほとんど考えていないことに矛盾を感じています。「ミレニアル世代は、インターネット上にあるものならタダだと思い込みがちです」と、Juarbe氏は言います。「子どもたちは幼い頃からタブレットを使い始めるので、小学校のうちから知的財産教育を始める」ことが、知的財産権の尊重を促す唯一の方法であるとJuarbe氏は考えています。

しかし、知的財産教育を行う上で課題がないわけではありません。実際、知的財産法制の絶え間ない進化は、教師が直面する最大のハードルのひとつです。「知的財産法制は絶え間なく進化していますが、それにはもっともな理由があります。急速な技術発展に対応し続ける必要があるからです。法律家が新技術の経済的影響や市場への影響力について十分に理解したと思ったとたん、またすぐに新たな新技術が登場してきます。したがって、最新の動向を把握し続けることがとても重要です。こうした観点から、教育者としての私の役割は、学生に知的財産法の基礎を教えることにあります。特に、著作者や発明者や起業家の利益が、知的財産権によってどのように守られているのかという点についてです。また、デジタルの世界とそれに適用される知的財産法をうまく活用するに当たって、著作権やその他の知的財産権を尊重する上で必要な知識や理解を学生に与えることも私たちの役割です」と、Juarbe氏は言います。

ビデオ:「Registra tu obra (作品を登録する)」。プエルトリコのインターアメリカン大学の法学生が「世界知的財産の日2023」の動画コンテストに応募した動画作品は、特に女子や女性にとって、知的財産を意識することがなぜ重要なのかを明らかにしています。

実践的経験のメリット

「世界知的財産の日2023」動画コンテストへの参加は、学生たちにとって、発明者や創作者や起業家にとっての知的財産権の実際的なメリットや、イノベーションと創造性を生み出す包摂的で多様性のある生態系 (エコシステム) を促進することの重要性を探求する絶好の機会となりました。 「この動画プロジェクトは、知的財産のような複雑な問題の解明を実践的に学ぶ力になることを実証しました。この動画プロジェクトを通じて、学生たちは知的財産法について学習しただけでなく、それを体験したのです」と、Juarbe氏は指摘します。

「動画の脚本と映像を調査・執筆・開発する過程で、学生たちは創作プロセスやそれに伴う時間・エネルギー・労力、そしてなぜ創作者は自分たちの作品を守る義務があるのかを知ることができました」と、Juarbe氏は言います。この実習によって、学生たちは「自分の作品を守るにはどうすればよいのかを理解し」、学習プロセスにおいて多様な意見を尊重することの重要性やメリットについて理解を深めることもできました。

「今回の動画で最も伝えたかったことは、自分の作品を登録することで、収益化の機会への扉が開かれ、作品の使用に対して正当な報酬を交渉することができるということです。プエルトリコには多くの創作者がいますが、彼らの多くは自分の作品に対する正当な報酬を交渉することの難しさを感じています。だからこそ、創作者の知財意識を高めることが重要なのです。そうすることで、創作者は自分の権利を知り、著しく不利な契約を結ぶ前にどういう選択肢があるのかを知ることができます」と、Juarbe氏は説明します。

この動画は、「世界知的財産の日2023」動画コンテストへの応募作品としてだけでなく、学生、法学部出身者、プロボノ弁護士によって運営される知的財産クリニックの設立という地元の新たな取り組みを学生たちが推進することも可能にしました。「今回の動画は、この新たな取り組みへの助成金や資金を確保するための貴重なツールになることが証明されました。クリニックの運営が始まれば、学生たちはプエルトリコの創作コミュニティにおける知的財産への理解と認識を促進する上で、さらに有意義で実際的な経験を積むことになるでしょう」と、Juarbe氏は言います。

Juarbe氏は、「世界知的財産の日2023」動画コンテストにおける学生たちの成功を踏まえ、2024年1月8日に開始される「世界知的財産の日2024」ユース動画コンテストへの応募を目指して準備を始めるよう、すでに学生たちに呼びかけています。Juarbe氏はこれを、知的財産や持続可能な開発目標 (SDGs) を支援する上で知的財産が果たす役割について、学生たちがさらに深く掘り下げるための刺激的な機会になると捉えています。そして、2024年の学生たちの目標は最優秀賞です。

「世界知的財産の日2024」ユース動画コンテストの募集始まる

発明者や創作者や起業家、または身近な地域コミュニティが、イノベーション、創造性、知的財産権によって、すべての人のより良い未来をどのように形成しているのかを紹介する60秒から90秒の動画で、あなたの創造性を解き放ってください。

応募期間は、2024年1月8日から3月10日までです。

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