私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律施行令(昭和五十二年十二月一日政令第三百十七号)
最終改正:平成二一年一〇月二八日政令第二五三号
内閣は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)第二条第七項、第七条の二第一項 (同法第八条の三において準用する場合を含む。)、第九条の二第一項第一号 、第二号及び第四号並びに第十八条の二第一項の規定に基づき、この政令を制定する。
(法第二条第七項の政令で定める最近の一年間)
第一条 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「法」という。)第二条第七項の政令で定める最近の一年間は、一定の商品並びにこれと機能及び効用が著しく類似している他の商品で国内において供給されたもの(輸出されたものを除く。)の価額(当該商品に直接課される租税の額に相当する額を控除した額とする。)又は国内において供給された同種の役務の価額(当該役務の提供を受ける者に当該役務に関して課される租税の額に相当する額を控除した額とする。)の一年間における合計額並びに当該一年間における事業分野占拠率の高いことにおいて上位を占める二の事業者の事業分野占拠率が、政府が作成した統計その他の資料により明らかとなつている最近の一年間とする。
(法第二条第七項第三号の政令で定める業種)
第二条 法第二条第七項第三号イの政令で定める業種は、次の各号に掲げるものとする。一 農業二 林業・狩猟業三 漁業・水産養殖業四 鉱業五 建設業六 製造業七 卸売業・小売業八 金融・保険業九 不動産業十 運輸・通信業十一 電気・ガス・水道・熱供給業十二 サービス業
(法第二条第七項第三号の政令で定める種類の利益率)
第三条 法第二条第七項第三号イの政令で定める種類の利益率は、次に掲げる割合とする。一 資産の合計金額から負債の合計金額を控除して得た額に対する経常利益の額の割合二 資産の合計金額に対する営業利益(前条第八号に掲げる業種にあつては、経常利益)の額の割合
第四条 削除
(法第七条の二第一項の政令で定める売上額及び購入額の算定の方法)
第五条 法第七条の二第一項 (法第八条の三において読み替えて準用する場合を含む。以下同じ。)に規定する政令で定める売上額の算定の方法は、次条第一項及び第二項に定めるものを除き、実行期間において引き渡した商品又は提供した役務の対価の額を合計する方法とする。この場合において、次の各号に掲げる場合に該当するときは、当該各号に定める額を控除するものとする。一 実行期間において商品の量目不足、品質不良又は破損、役務の不足又は不良その他の事由により対価の
額の全部又は一部を控除した場合 控除した額二 実行期間において商品が返品された場合 返品された商品の対価の額三 商品の引渡し又は役務の提供を行う者が引渡し又は提供の実績に応じて割戻金の支払を行うべき旨が書
面によつて明らかな契約(一定の期間内の実績が一定の額又は数量に達しない場合に割戻しを行わない旨を定めるものを除く。)があつた場合 実行期間におけるその実績について当該契約で定めるところにより算定した割戻金の額(一定の期間内の実績に応じて異なる割合又は額によつて算定すべき場合にあつては、それらのうち最も低い割合又は額により算定した額)
2 法第七条の二第一項に規定する政令で定める購入額の算定の方法は、次条第三項及び第四項に定めるものを除き、実行期間において引渡しを受けた商品又は提供を受けた役務の対価の額を合計する方法とする。この場合において、次の各号に掲げる場合に該当するときは、当該各号に定める額を控除するものとする。一 実行期間において商品の量目不足、品質不良又は破損、役務の不足又は不良その他の事由により対価の
額の全部又は一部が控除された場合 控除された額二 実行期間において商品を返品した場合 返品した商品の対価の額三 商品の引渡し又は役務の提供を行う者から引渡し又は提供の実績に応じて割戻金の支払を受けるべき旨
が書面によつて明らかな契約(一定の期間内の実績が一定の額又は数量に達しない場合に割戻しを受けない旨を定めるものを除く。)があつた場合 実行期間におけるその実績について当該契約で定めるところにより算定した割戻金の額(一定の期間内の実績に応じて異なる割合又は額によつて算定すべき場合にあつては、それらのうち最も低い割合又は額により算定した額)
第六条 法第七条の二第一項に規定する違反行為に係る商品又は役務の対価がその販売又は提供に係る契約の締結の際に定められる場合において、実行期間において引き渡した商品又は提供した役務の対価の額の合計額と実行期間において締結した契約により定められた商品の販売又は役務の提供の対価の額の合計額との間に著しい差異を生ずる事情があると認められるときは、同項に規定する売上額の算定の方法は、実行期間において締結した契約により定められた商品の販売又は役務の提供の対価の額を合計する方法とする。
2 前条第一項第三号の規定は、前項に規定する方法により売上額を算定する場合に準用する。
3 法第七条の二第一項に規定する違反行為に係る商品又は役務の対価がその購入又は提供に係る契約の締結の際に定められる場合において、実行期間において引渡しを受けた商品又は提供を受けた役務の対価の額の合計額と実行期間において締結した契約により定められた商品の購入又は役務の提供の対価の額の合計額との間に著しい差異を生ずる事情があると認められるときは、同項に規定する購入額の算定の方法は、実行期間において締結した契約により定められた商品の購入又は役務の提供の対価の額を合計する方法とする。
4 前条第二項第三号の規定は、前項に規定する方法により購入額を算定する場合に準用する。
(法第七条の二第二項の政令で定める売上額の算定の方法)
第七条 法第七条の二第二項において読み替えて準用する同条第一項に規定する政令で定める売上額の算定の方法は、第一号に掲げる額と第二号に掲げる額とを合算する方法とする。一 実行期間において被支配事業者に引き渡した商品又は提供した役務(当該被支配事業者が法第七条の二第二項に規定する違反行為に係る一定の取引分野において当該商品又は役務を供給するために必要な商品又は役務を含む。次条第一項において同じ。)の対価の額の合計額(第五条第一項各号に掲げる場合に該当するときは、当該各号に定める額を控除した額)二 実行期間において一定の取引分野において引き渡した商品又は提供した役務(当該被支配事業者に引き渡した当該商品又は提供した当該役務を除く。次条第二項において同じ。)の対価の額の合計額(第五条第一項各号に掲げる場合に該当するときは、当該各号に定める額を控除した額)
第八条 被支配事業者に引き渡す商品又は提供する役務の対価がその販売又は提供に係る契約の締結の際に定められる場合において、実行期間において被支配事業者に引き渡した商品又は提供した役務の対価の額の合計額と実行期間において被支配事業者と締結した契約(当該被支配事業者が法第七条の二第二項に規定する違反行為に係る一定の取引分野において当該商品又は役務を供給するために必要な商品の販売又は役務の提供に係る契約を含む。以下この項において同じ。)により定められた商品の販売又は役務の提供の対価の額の合計額との間に著しい差異を生ずる事情があると認められるときは、前条第一号に規定する額に代えて、実行期間において被支配事業者と締結した契約により定められた商品の販売又は役務の提供の対価の額の合計額(第五条第一項第三号に掲げる場合に該当するときは、同号に定める額を控除した額)を用いる。
2 一定の取引分野において引き渡す商品又は提供する役務の対価がその販売又は提供に係る契約の締結の際に定められる場合において、実行期間において一定の取引分野において引き渡した商品又は提供した役務の対価の額の合計額と実行期間において一定の取引分野において締結した契約(当該被支配事業者と締結した当該商品の販売又は当該役務の提供に係る契約を除く。以下この項において同じ。)により定められた商品の販売又は役務の提供の対価の額の合計額との間に著しい差異を生ずる事情があると認められるときは、前条第二号に規定する額に代えて、実行期間において一定の取引分野において締結した契約により定められた商品の販売又は役務の提供の対価の額の合計額(第五条第一項第三号に掲げる場合に該当するときは、同号に定める額を控除した額)を用いる。
(法第七条の二第四項の政令で定める売上額の算定の方法)
第九条 法第七条の二第四項に規定する政令で定める売上額の算定の方法は、第一号に掲げる額と第二号に掲げる額とを合算する方法とする。一 法第七条の二第四項に規定する違反行為をした日から当該行為がなくなる日までの期間(当該期間が三年を超えるときは、当該行為がなくなる日からさかのぼつて三年間とする。以下この条及び次条において「違反行為期間」という。)において、当該行為に係る一定の取引分野において引き渡した商品又は提供した役務(当該一定の取引分野において商品又は役務を供給する他の事業者に引き渡した商品又は提供した役務を除く。次条第一項において同じ。)の対価の額の合計額(次のイからハまでに掲げる場合に該当するときは、それぞれ当該イからハまでに定める額を控除した額)イ 違反行為期間において商品の量目不足、品質不良又は破損、役務の不足又は不良その他の事由により対価の額の全部又は一部を控除した場合 控除した額ロ 違反行為期間において商品が返品された場合 返品された商品の対価の額
ハ 商品の引渡し又は役務の提供を行う者が引渡し又は提供の実績に応じて割戻金の支払を行うべき旨が書面によつて明らかな契約(一定の期間内の実績が一定の額又は数量に達しない場合に割戻しを行わない旨を定めるものを除く。)があつた場合 違反行為期間におけるその実績について当該契約で定めるところにより算定した割戻金の額(一定の期間内の実績に応じて異なる割合又は額によつて算定すべき場合にあつては、それらのうち最も低い割合又は額により算定した額)
二 違反行為期間において法第七条の二第四項に規定する違反行為に係る一定の取引分野において商品又は役務を供給する他の事業者に引き渡した当該商品又は提供した当該役務(当該他の事業者が当該一定の取引分野において当該商品又は役務を供給するために必要な商品又は役務を含む。次条第二項において同じ。)の対価の額の合計額(前号イからハまでに掲げる場合に該当するときは、それぞれ同号イからハまでに定める額を控除した額)
第十条 法第七条の二第四項に規定する違反行為に係る一定の取引分野において引き渡す商品又は提供する役務(当該一定の取引分野において商品又は役務を供給する他の事業者に引き渡す商品又は提供する役務を除く。)の対価がその販売又は提供に係る契約の締結の際に定められる場合において、違反行為期間において当該一定の取引分野において引き渡した商品又は提供した役務の対価の額の合計額と違反行為期間において当該一定の取引分野において締結した契約(当該一定の取引分野において商品又は役務を供給する他の事業者と締結した商品の販売又は役務の提供に係る契約を除く。以下この項において同じ。)により定められた商品の販売又は役務の提供の対価の額の合計額との間に著しい差異を生ずる事情があると認められるときは、前条第一号に掲げる額に代えて、違反行為期間において当該一定の取引分野において締結した契約により定められた商品の販売又は役務の提供の対価の額の合計額(同号ハに掲げる場合に該当するときは、同号ハに定める額を控除した額)を用いる。
2 法第七条の二第四項に規定する違反行為に係る一定の取引分野において商品又は役務を供給する他の事業者に引き渡す当該商品又は提供する当該役務(当該他の事業者が当該一定の取引分野において当該商品又は役務を供給するために必要な商品又は役務を含む。)の対価がその販売又は提供に係る契約の締結の際に定められる場合において、違反行為期間において当該他の事業者に引き渡した当該商品又は提供した当該役務の対価の額の合計額と違反行為期間において当該他の事業者と締結した契約(当該他の事業者が当該一定の取引分野において当該商品又は役務を供給するために必要な商品の販売又は役務の提供に係る契約を含む。以下この項において同じ。)により定められた商品の販売又は役務の提供の対価の額の合計額との間に著しい差異を生ずる事情があると認められるときは、前条第二号に掲げる額に代えて、違反行為期間において当該他の事業者と締結した契約により定められた商品の販売又は役務の提供の対価の額の合計額(同条第一号ハに掲げる場合に該当するときは、同号ハに定める額を控除した額)を用いる。
(法第七条の二第五項第五号の政令で定める事業者の範囲)
第十一条 法第七条の二第五項第五号に規定する政令で定める業種並びにその業種ごとの資本金の額又は出資の総額及び従業員の数は、次の表のとおりとする。
業種
資本金の額又は出従業員資の総額の数 一ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに 九百人工業用ベルト製造業を除く。)二ソフトウェア業又は情報処理サービス業三億円三百人
(法第七条の二第五項第六号の政令で定める組合の規模)
第十二条 法第七条の二第五項第六号に規定する協業組合その他の特別の法律により協同して事業を行うことを主たる目的として設立された組合(組合の連合会を含む。以下この条において同じ。)については、当該組合の出資の総額及び当該組合の直接若しくは間接の構成員の資本金の額若しくは出資の総額の合計額が、同項第一号から第五号までに定める業種ごとに、当該各号に定める資本金の額若しくは出資の総額以下である場合、又は当該組合が常時使用する従業員の数及び当該組合の直接若しくは間接の構成員が常時使用する従業員の数の合計数が、同項第一号から第五号までに定める業種ごとに、当該各号に定める従業員の数以下である場合には、当該各号に定める規模に相当するものとする。
(法第七条の二第二十四項の場合における同条第十項から第十二項までの規定の適用)
第十三条 法第七条の二第十項から第十二項までの規定のいずれかに該当する事業者が法人である場合において、当該法人が合併により消滅したときは、当該消滅した法人が行つた同条第十項第一号、第十一項第一号から第三号まで又は第十二項第一号の規定による報告及び資料の提出(以下この条及び次条において「減免申請」という。)は、法第七条の二第二十四項の規定により合併後存続し、又は合併により設立された法人がしたとみなされる違反行為に係る課徴金について、当該合併後存続し、又は合併により設立された法人が行つた減免申請とみなして、同条第十項から第十二項までの規定を適用する。
2 法第七条の二第一項に規定する違反行為をした事業者が法人である場合において、当該法人が合併により消滅したときは、同条第十項から第十二項までの規定のいずれかに該当し、かつ、合併後存続する法人が行つた減免申請の効力は、同条第二十四項の規定により当該存続する法人がしたとみなされる違反行為に係る課徴金には、及ばない。
(法第七条の二第二十五項の場合における同条第十項から第十二項までの規定の適用)
第十四条 法第七条の二第十項から第十二項までの規定のいずれかに該当する事業者が法人である場合において、当該法人が当該違反行為に係る事件についての調査開始日以後においてその一若しくは二以上の子会社等(同条第十三項第一号に規定する子会社等をいう。以下この条において同じ。)に対して当該違反行為に係る事業の全部を譲渡し、又は当該法人(会社に限る。)が当該違反行為に係る事件についての調査開始日以後においてその一若しくは二以上の子会社等に対して分割により当該違反行為に係る事業の全部を承継させ、かつ、合併以外の事由により消滅したときは、当該消滅した法人が行つた減免申請は、法第七条の二第二十五項の規定により当該事業の全部若しくは一部を譲り受け、又は分割により当該事業の全部若しくは一部を承継した子会社等がしたとみなされる違反行為に係る課徴金について、当該法人から当該事業の全部若しくは一部を譲り受け、又は分割により当該事業の全部若しくは一部を承継した子会社等が行つた減免申請とみなして、同条第十項から第十二項までの規定を適用する。
2 法第七条の二第一項に規定する違反行為をした事業者が法人である場合において、当該法人が当該違反行為に係る事件についての調査開始日以後においてその一若しくは二以上の子会社等に対して当該違反行為に係る事業の全部を譲渡し、又は当該法人(会社に限る。)が当該違反行為に係る事件についての調査開始日以後においてその一若しくは二以上の子会社等に対して分割により当該違反行為に係る事業の全部を承継させ、かつ、合併以外の事由により消滅したときは、同条第十項から第十二項までの規定のいずれかに該当する当該子会社等が当該法人の消滅前に行つた減免申請の効力は、同条第二十五項の規定により当該子会社等がしたとみなされる違反行為に係る課徴金には、及ばない。
(法第九条第四項の政令で定める金額)
第十五条 法第九条第四項の政令で定める金額は、次の各号に掲げる会社の区分に従い当該各号に掲げる金額とする。一 法第九条第四項第一号に掲げる会社 六千億円二 法第九条第四項第二号に掲げる会社 八兆円三 法第九条第四項第三号に掲げる会社 二兆円
(法第十条第二項の政令で定める金額等)
第十六条 法第十条第二項の二百億円を下回らない範囲内において政令で定める金額は、二百億円とする。
2 法第十条第二項の五十億円を下回らない範囲内において政令で定める金額は、五十億円とする。