ボツワナ産バスケットのブランディングプロジェクトがさらに一歩前進
2020/03/06
伝統的なバスケット作りの進化し続けるブランディングプロジェクトでは、2020年2月25・26日にボツワナのカサネでトレーニングワークショップが開催され、2つ目となるマイルストーンが達成されました。チョベ地区の複数の村から30名のバスケットの編み手が集まり、地域特有のブランドに関して協力する新たな生活協同組合の共同商標について合意に達しました。
日本特許庁(JPO)、企業知的所有権機関(CIPA)、投資産業省生活協同組合開発部(MITI)と協力のもとWIPOがスタートした本プロジェクトは、昨年大成功を収めたイベント以来、勢いに乗って進んでいます。
現在ある3つの生活協同組合から30名の編み手が集まり、下記のトピックについて話し合いました。
- • 現在ある生活協同組合を統合する新たな生活協同組合の結成
- • 共同商標のロゴのデザイン
- • 商標の使用に関する規則
- • 採用すべき品質基準並びに評価制度
1人を除き、参加者の全員が女性でした。1つの目安としてバスケットの編み手に紹介されたのは、高品質のタオル作りで有名な日本、今治市の特産今治タオルのブランディングが成功した例でした。
一丸となる
3つの小さな生活協同組合は、統合し新たな生活協同組合を結成し、協力して作業することに決めました。分離している生活協同組合を統合し、新たな1つの組合を結成することは、地域の「チョベバスケット」ブランド開発の第一歩です。
力を合わせれば、パワフルなブランドを作ることができます。個別に作業していたのでは、需要を満たすことはできません。一丸となるからこそ、達成できるのです。すぐにおわかりいただけるようになるでしょう。生活協同組合は成果を出します。
ボツワナ投資産業省 Goloswang Ramogala氏。
ブランドの特徴を確立するため、参加者はロゴのデザインについて集中的に話し合い、最終的に1つのデザインを採用することで合意に達しました。また、長い間編み手の間の共通認識としてあったものの、正式に文書化されたことがなかった品質基準並びに評価制度についても明確にしました。
商標はブランドの販売促進に役立つツールです。バスケットを購入したお客様は商標を口コミで他の人に紹介します。皆さんが作るバスケットの創造性が話題になることを目指しましょう。
ボツワナ企業知的所有権機関 企業所有権登録官 Timothy Moalusi氏。
背景
チョベ地区では、バスケットは伝統的に女性によって作られてきました。バスケット作りは、世帯の生活必需品を入手するのに必要な現金を得るための生計戦略です。バスケットの作り方は母から娘へと、代々受け継がれてきました。
バスケットは地域原産の「モコラ」と呼ばれるヤシの木の葉で作られ、土地固有の植物で草木染めされた葉を編み込んで、様々な模様に装飾されます。
かつては自宅で使用するためにバスケットを作っていましたが、現在は、豊かな野生生物に魅了されてこの地に集まる世界中からの観光客向けに販売されています。
これまではバスケットを作る小さな生活共同組合がそれぞれの村で孤立して作業をしていましたが、現在は、知的財産権(IP)制度を利用することで、この伝統工芸品を守り、より多くの人々に販売できるように学んでいます。