2023/03/27
WIPOは2022年11月18日、FIT/日本知的財産グローバルファンドの協力を受け、ボツワナのカサネにおいてチョベ・バスケットの団体商標の発表イベントを開催しました。
WIPOは2019年に、知的財産の利用を通じてボツワナの都市カサネのチョベ地区のバスケット職人による製品のブランディングを支援することを目的として、FIT/日本知的財産グローバルファンド (FIT Japan IP Global) の支援を受け、「チョベ・バスケット・プロジェクト」の知財・ブランディング戦略を開始しました。このプロジェクトでは、関係者の能力を開発することで、ブランドの価値や質の向上を支援し、収入の増加と暮らしの改善につなげることも目的としています。
チョベ・バスケットの団体商標は2021年、ボツワナの企業知的所有権機関 (CIPA) において、包括協同組合「Chobe Basket Weavers Cooperative Union Ltd. (チョベ・バスケット職人協同組合) 」によって登録されました。このプロジェクトの締めくくりとして、チョベ・バスケットの団体商標に関する最終公演と発表イベントが2021年に予定されていましたが、新型コロナウイルスに係る渡航制限のため開催することができませんでした。
パンデミックの間、WIPOの依頼でプロジェクト開始当初から現地での管理を担ってきた現地専門家のBathusi Lesolobe氏は、チョベ・バスケットの団体商標の構成員や将来的なユーザーに対してコンサルティングを行うことで、団体商標の認識を高めるとともに、その商標を使って取引を行うための能力開発を行ってきました。WIPOは、商品タグやパンフレットの準備などを通じて、認識向上・能力開発活動の準備と実施を支援してきました。
2022年の渡航制限解除を受け、WIPOはボツワナ企業知的所有権機関 (CIPA) と協働で、団体商標プロジェクトの正式引渡し・発表イベントを2022年11月18日にカサネで開催しました。ボツワナ企業大臣のKarabo S. Gare氏が開会の挨拶を行うとともに、チョベ・バスケットの団体商標を正式に発表しました。参加者には、CIPA登録官長Conductor Paul Masena氏を始め、CIPA高官、観光開発局代表および地域協同組合局の職員が含まれました。在ボツワナ日本国大使館一等書記官の吉田邦彦氏も本イベントに参加し講演を行いました。
発表イベントには、チョベ・バスケットの団体商標の権利者である職人組合のメンバー30名と、チョベ地区や周辺地域のバスケット職人が80名以上参加しました。チョベ・バスケットの団体商標の構成員ではない参加者の多くから、能力育成を通じてバスケットの品質を高め収入増を実現できるよう、同様の活動を行ってほしいとの要望がありました。
WIPOはブランディング・プロジェクトを通じて、製造者が知的財産権を取得して、製品をブランド化できるよう支援しています。プロジェクトでは、製品の品質およびブランドイメージの向上を通じてブランドの価値を高めることも目的としています。FIT/日本知的財産グローバルファンドは、このようなブランディング・プロジェクトの財政支援を行っています。
ケニアのかご織りコミュニティの女性たちの成功談は、WIPOウェブサイト「編み物で道を切り開く (Weaving a Way Forward) 」でご覧いただけます。