2016年は国際特許出願の記録的な年、商標と意匠保護にも強い需要
ジュネーヴ,
2017/03/15
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中国のZTE Corporationが同じ街のライバルHuawei Technologiesを負かして2016年のWIPO国際特許出願の最大出願人になり、アメリカを拠点とするQualcomm Inc.は3位。WIPOのIP出願サービスには昨年もまた特許・商標・意匠に強い需要が見られました。
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アメリカがWIPOのPCT制度の利用で39年連続の1位をキープし、昨年よりも7.3%増えて全体のおよそ1/4(233,000件)を占めました。日本(19.4%)と中国(18.5%)が続き、中国は全体の需要拡大の原因となっています。デジタルコミュニケーションとコンピューター技術がセクターとして最大の活動を見せました。
PCTと同様に、時間とコストを削減しうる3つの制度すべてにおいて7年連続で成長が見られました。WIPOの国際商標出願サービス(マドリッド制度)は7.2%増加し、52,550件の出願がありました。WIPOのハーグ制度下の意匠も18,716件の出願があり13.9%増加しました。
「相互にリンクした情報グローバル経済では、クリエーターとイノベーターは世界での競争力を保護し促進するためによりIPに頼るようになってきている」と、フランシス・ガリWIPO事務局長は言います。「中国を拠点とする出願は国際特許と商標出願の伸びの大半であり、ビジネスが国際化することは中国産‘Made in China’から中国創造‘Created in China’に移る大きな一歩を踏み出している。」
特許
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2016年にアメリカを拠点とするPCT出願は56,595件で、次いで日本 (45,239件)、そして2002年以来毎年2ケタ成長を続けている中国 (43,168件)です。現在のこの傾向が続けば、2年以内に中国がアメリカを追い抜いて最大のPCT利用国になります。ドイツ(18,315件)と韓国(15,560件)が4位・5位でした。(追記 1 ). 中国とインド(1,529件)はトップ15中唯二の中所得国です。
地域別合計ではアジアがPCT制度の47.4%を占め、ヨーロッパ(25.6%)と北アメリカ(25.3%)の合計を若干下回りました。
本国官庁トップ15では中国が大変大きな成長を記録(+44.7%)、イタリア(+9.3%)、イスラエル(+9.1%)、インド(+8.3%)とオランダ(+8%)も高い成長率でした。対照的に、RIM/BlackberryとNortelからの出願が減り、カナダからの出願(-17.3%)は2年連続で大きく低下しました。
出願人別では深圳市を拠点とする電気通信企業ZTE Corporation(4,123 件:PCT国際公開件数)とHuawei Technologies (3,692件) がトップ2位で、ZTEが2順位上げてHuaweiをトップから追い出しました。アメリカのQualcomm Incorporated(2,466件)、日本の三菱電機(2,053件)、韓国のLG Electronics(1,888件)と続き、アジアの7社とアメリカの3社がトップ10を連ねました(追記 2 )。
教育機関では、公開済みPCT出願434件のUniversity of Californiaが最大のユーザーで、1993年から毎年1位を維持しています。Massachusetts Institute of Technology (236件)は2位、次いでHarvard University(162件)、Johns Hopkins University(158件)、and the University of Texas System(152件) です (追記 3 ) 。トップ10はアメリカの機関が独占していますが、20位まで見るとアメリカの10大学とアジアの10大学です。
PCT国際公開件数ではデジタルコミュニケーション(8.5%)が最大を占め、次いでコンピューター技術(8.2%)、医療技術(6.8%)となりました(追記 4 )。トップ10技術では医療(+12.8%)、光学(+12.7%)、デジタルコミュニケーション(+10.7%)が2016年の最速成長を見せました。
商標
国際商標出願の件数では、アメリカ(7,741件)がWIPOのマドリッド制度最大の利用国となりました。僅差でドイツ(7,551件)、フランス(4,132件)、中国(3,200件)、スイス(3,074件)がランクインしました。15位以内での中所得国は中国・トルコ(1,221件、12位)・ロシア(1176件、13位)でした(追記 5 )。
本国官庁別のトップ15では、中国が最速成長を記録し(+68.6%)、ロシア(+32.7%)、イタリア(+14.4%)、オランダ(+14.1%)の出願も増加しました。オーストリア(-3.8%)、フランス(-0.4%)、韓国(-0.5%)、スイス(-2.4%)からの出願数は減少しました。
出願人別出願件数では、フランスのL’Oréalが150件で1位、イギリスのGlaxoグループ(141件)、ドイツのBMW(117件)、Lidl(112件)と続きます。2015年に1位だったスイスの企業Novartisは100件減少した94件で5位です(追記 6 )。
区分別では、コンピューターと電子機器が最大で全体の9.4%を占め、ビジネスサービス(7.6%)と技術サービス(6%)が続きます。区分別のトップ10では、技術サービス(+11.3%)、コンピューターと電子機器(+10.6%)が最速成長を見せました。
指定国官庁別では中国(22,314件)、EU(21,526件)、アメリカ(20,979件)がランクインしました。ロシア(14,604件)、インド(11,105件)、メキシコ(9,098件)、トルコ(8,679件)といった中所得国も多く指定されました。中国は2006年からトップです。
意匠
WIPOハーグ制度を通じた国際意匠出願は35.3%伸びました。出願に含まれているデザイン数も13.9%伸び、出願に含まれていたデザイン数の合計は18,716件でした(追記 7 )。
ドイツ(3,917件) がハーグ制度の最大利用国で、スイス(2,555件)、韓国(1,882件)、アメリカ(1,410件)、オランダ(1,317件)と続きます。元の数が小さかったことはありますが、締約国トップ10では日本(+109.2%)とトルコ(136.5%)がそれぞれ大幅な伸びを見せました。
利用者別ではオランダのFonkel Meubelmarketing (953件)が韓国のSamsung Electronics(862件)を追い越してハーグ制度の最大利用者になりました。韓国のLG Electronics(728件)が3位で、スイスのSwatch(383件)とアメリカのProcter & Gamble(348件)が続きます(追記 8 )。
分類別では家具(11.3%)がデザインの最大を占め、録音とコミュニケーション機器(10%)、交通手段(7.8%)、時計(6.9%)と続きます。
EU(14,952件)が最大の指定国官庁でした。スイス(8,811件)、トルコ(6,137件)、アメリカ(4,722件)とノルウェー(3,324)が続きます。
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